ラシク・インタビューvol.100
プラップジャパン 蒲原 佐季さん
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仕事で活躍したい、結婚したい、子育てしたいなど夢は抱くけれども、全てを実現させるなんて不可能なことなのでは...とネガティブなイメージを持っている学生はたくさんいます。
しかし、実際に仕事も家庭も両立させている女性がどんな風に働き、どんな苦労があって何を感じているのか、その実態をほとんど知らない、知りたくてもどうしていいのかわからないというのが学生の本音です。
今回、 LAXIC 学生編集部がインタビューさせて頂いたのは、船舶会社で広報宣伝部に在籍した後、「広報のプロであるPR会社に入りたい」と思い、2008年にPR会社であるプラップジャパンに入社された蒲原佐季さん。
2015年にはご長男を出産され、約1年の育児休暇を経たのち仕事に復帰された現役のママ社員です。
やりたい仕事を続けながら子育てにも奮闘されている蒲原佐季さんに「ママ社員のリアル」について伺ってきました。
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ママ社員が多く、制度が整っているので育休からの復帰に不安はなかった
編集部:ライフイベント(主に出産)を経て、仕事を続けようと決めたのはなぜですか?
蒲原 佐季さん(以下、敬称略。蒲原):1年ほどの育児休暇を取得しましたが、24時間子どもといる生活だと、赤ちゃん言葉しか話さない日もあったりするわけです。
子育てだけしていると関わる人も限られてきて、社会と関わりを持ちたい、仕事に戻りたいなあと自然と思うようになりました。
編集部:復帰することに不安はなかったのでしょうか?
蒲原:先輩ママ社員も多くて、子育てしながら働く制度や環境が年々整ってきているので不安はなかったです。キャリアがあったからこそ、今の働き方ができているなと思っています。
編集部:現在、ママとして働いていて、とってもありがたい制度ってどんなものですか?
蒲原:最近、時短勤務だけでなく、時差出勤の制度ができたんです。これにより、希望に沿った働き方の自由度は高まりましたね。
私自身、育休復帰当初は9時半〜4時半で働いていましたが、現在は30分前倒しして9時からの勤務にしています。この時差出勤のおかげで、時短勤務からフルタイムに変更するママ社員も多くいますね。
あと、弊社には「プラママラボ」というママ社員のコミュニティ組織があるんです。現在20人程が「プラママラボ」に所属しており、年齢の近い子どもをもつ社員同士実際に集まったりして悩みを相談し合っています。会社内で同じ悩みを分かち合えるのはとても心強いですね。
ママだからこそ担当する仕事の幅が広がった
編集部:では、実際に育児休暇の前後で仕事や家庭で大きく変化したことはあるのでしょうか。
蒲原:働く時間が限られるようになり、残業はできなくなりましたね。そのため、限られた時間でスピーディーに仕事をこなしたり、チームで周囲に協力してもらったりすることもあります。
ママ社員が多いことで周囲の理解も得られやすく仕事をしやすいです。
あともう一つ、子供が急に熱を出すなど何があっても大丈夫なように早め早めのスケジュールを立てるようになりました。
また、先ほども申し上げた社内のママ社員コミュニティ「プラママラボ」が仕事につながることもあります。子育て向けのサービスやママ向けの商品などがあればプラママラボのメンバーが担当することもあります。また、ママになったことで担当する仕事の幅が広がったことも変化ですね。
またうちは夫婦共お互いの実家が遠いので、主人と二人でやりくりしていくしかないんです。夫も私が働くことを理解してくれていますし、週末はほぼ全ての時間を子どもとの時間にあててくれています。そういう意味で、夫のサポートはとてもありがたいです。
家事の精度は以前よりも落ちているかもしれませんが、ちょっとした埃は気にしないことも大切です(笑)。
編集部:仕事と子育てを両立したいとおっしゃっている人によく聞かれるのが、「ロールモデルがいない」ということなのですが、その点はどうでしょうか?
蒲原:実際、ママで管理職をしている人もいますし、時差出勤の制度ができたことで、保育園などのお迎えを担当しながらもフルタイムに戻せるようになっていて、働き方の幅は広がっていると思います。
私個人については、出産前から「家庭を最優先に置きたい」という気持ちをずっと持っていて、会社の組織の中で昇進していくというよりも、クライアントの幅を広げていくということに興味があります。だからこそ、今のバランスがベストだと思っています。
子育てしながら働きたい!と思うなら恐れずに進んでほしい
編集部:プラップジャパンは子育てをする社員をサポートする制度が充実しているようですが、他にあったらいいなと思う制度はありますか?
蒲原:一時間単位の有給消化です。例えば、朝子供を病院に連れていくなど1時間や2時間の遅刻になってしまいます。今は午前半休か午後半休もしくは丸一日の有給しか取れません。
そのため、一時間の遅刻だと午前半休にするのはもったいない。このような場合に一時間単位の有給消化が適用されればより働きやすくなると思います。他にも、テレワークや在宅勤務も認められればママにはうれしいですね。
編集部:子育てと仕事の両立に不安を覚えている学生や女性たちにメッセージがあればお願いします。
蒲原:子育てしながら働くことは、大変なことも多いけれども、すごく楽しいし充実しているんです。だからこそ、子育ても仕事もどちらもやってみたい!と思うなら、恐れずに進んでいってほしいなと思います。
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仕事と家庭を両立するなんて、過酷なのだろう...きっと何かを犠牲にしているのだろう...という学生の抱くネガティブなイメージとは裏腹に、悩みはない!と明るく終始笑顔でお話してくださった蒲原さん。
正直なところ、インタビュー以前に抱いていた両立に対するイメージとは180度異なるお話の内容で、家庭と両立しながらこんなにも仕事を充実させることができるのかと衝撃を受けました。
そして何より、仕事と家庭を両立する上で欠かせないことは周囲のサポートだと感じました。
蒲原さんは家庭を最優先したいと思っていたそうですが、産休前に仕事をやめようと思ったことは一度もなかったそうです。
それは社内に先輩ママ社員がたくさんいたことで理解者に話を聞いてもらうことができたり、実際にママ社員が活用して両立の支えとなっている社内の制度があったりと様々なサポートが充実していたからだと思います。
もちろん会社だけでなく、旦那さんの支えも重要です。蒲原さんのお話から、家事や子育てを二人で平等にしている印象を受けました。お互いが理解しあって支えあう、そんな理想的な夫婦関係があることは女性が仕事を続けるにあたって最も大切なことなのかもしれないと感じました。
女子学生が将来の働き方、ライフプランを考えるように男子学生も同様にライフイベントを踏まえて将来働き続けることを考えていかなければ、学生が将来に抱くイメージはなかなか変化しないかもしれないと思います。
「子育てしながら働くことは充実している。子供といる時間が一番!」そう最後におっしゃった蒲原さん。将来は楽しいことがたくさん待っている!と不安が期待に自然と変化したとても素敵なインタビューでした。
【蒲原 佐季さんプロフィール】
船舶会社の広報宣伝部を経て、2008年 総合PR会社・プラップジャパン入社。
商業施設PRを中心に、企業のプロダクト/サービスPRなど、コンシューマーを対象とした幅広い領域のPR・マーケティングコミュニケーションに携わる。TV・新聞・雑誌・WEBと幅広いメディアネットワークを構築している。
2015年に長男誕生。2016年5月より復職し、現在、コンシューマーコミュニケーション本部 第5部 アカウントスーパーバイザーとして活躍中。
HP:プラップジャパン
ワーママを、楽しく。LAXIC
文・インタビュー:LAXIC学生編集部 辻岡愛菜
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