年齢を重ねた美しさの源、それは"体をうごかす"習慣にアリ

健康には「栄養」「休養」「運動」が大事と言いながら、運動だけが実践できていない現状は大問題です。

こんにちは、日本マタニティフィットネス協会の小林香織です。普段は妊婦を中心とした女性のライフサイクルに合わせた運動の普及をしていますが、ここでは女性の体と運動についてお話をさせていただきます。このコラムを読んだ方が「運動いいね!」と感じ、行動が起きることを願って。そして読者の方それぞれの生き方や年齢に合った健康美を手に入れていただきたいと思います。

若い女性の運動習慣率は低い

健康づくりに必要な要素といえば、昔から「栄養」「休養」「運動」と言われています。そんなこと今更、言われなくてもご存知だとは思いますが、実際にその3つの行動を自己評価してみたらどうでしょう。栄養は食事、休養は睡眠で考えてみてください。この2つは、やらなければ生きていけません。

例えば、食事。1週間前の朝食、昼食、夕食は何でしたか? それは健康的な食事になっていましたか? "野菜が足りない""お肉食べ過ぎた"等、多分、反省点が見つかるはず。そんな時、ほとんどの人はマイナスポイントを補う行動を数日以内に起こします。また、休養(睡眠)についても同じ。寝不足を感じれば、早めに寝たり、休みの日は寝だめ(?)をしたりと、健康という意識ではないにしても、体を休めるという観点での行動を自然に起こしているものなのです。

では、運動はどうでしょうか。厚生労働省の平成23年国民健康・栄養調査結果の概要によると20代女性の運動習慣率は9.5%。これは、全体の中で一番低い数字です。ここで言う運動習慣率とは、週2回、1回当たり30分以上の運動を1年以上継続しているというものです。30代は15.7%、40代で21.1%、国の目標値は35%ですから、年齢が上がるにつれ徐々に上がるとは言え、理想とは程遠いのが現実です。

更年期はそれまでの生き様があらわれる?!

私達は、性成熟期→更年期→老年期というライフステージを通り、年を重ねていきます。女性の場合、更年期(45~55才位)の頃からエストロゲンの減少に伴い更年期症状があらわれ、さらにメタボリックシンドロームのリスクも上がってきます。このため、その頃から運動習慣率が上がるのも当然と言えます。でも、考えてみてください、危険が迫ってからの予防より、危険があることを想定しての予防の方が安心ではないですか。更年期の女性を診ている婦人科のドクターが言っていました、「更年期はそれまでの生き様があらわれる」と。

健康には「栄養」「休養」「運動」が大事と言いながら、運動だけが実践できていない現状は大問題です。若い時は、ライフスタイルの中で運動の優先順位は低くなりがちですが、今の体の状態が次のライフステージを過ごすための準備になると認識しましょう。習慣的に行う食事、睡眠と同じように、運動も当たり前の習慣になると良いですね。

今月のエクササイズ 思いっきり体を伸ばす

頭の上で手を組みましょう。その手をまっすぐ上に伸ばしながら息を吸い、目線も上へ。背筋を伸ばして体に力を入れましょう。手を離して脱力しながら、声が出るくらい息を吐いてみましょう。

ライター: 小林 香織(一般社団法人日本マタニティフィットネス協会 理事兼チーフディレクター)