見えない部分のエクササイズが「くびれ」をつくる

骨盤底筋群の役割はそれだけではありません。腹筋と連動することで体幹部の安定性が高まり、姿勢がキレイになり腰痛の予防効果も期待できます。

ウエストのくびれをつくりたいなら見えないところを意識!

女性の体型は、お腹ぽっこりの幼児体型から始まり、バストとヒップに丸みが出てくる思春期を経て、性成熟期(19歳頃~)にはウエストが「くびれ」たメリハリボディへと変化していきます。女性にとってウエストの「くびれ」は永遠のテーマ。同時に男性にとってもくびれのある女性は魅力的にうつります。なぜなら、ウエストがくびれている女性は、若い、現在妊娠していない=自分の子孫を残してくれるパートナーとして認識することができるからだといわれています。

今回は、魅力的なボディラインには欠かせない「くびれ」への第1歩、運動が苦手な人でもできる、見えない部分のエクササイズのお話です。

腹筋と連動している骨盤の底にある筋肉群

背筋を伸ばして座り、お尻の穴をキュッと絞るイメージで骨盤の底に力を入れてみてください。感覚がわかったら骨盤の底全体を上に持ち上げるイメージで力を入れてキープします。手のひらを下腹部に当ててみましょう。お腹に力が入っているのがわかりますか?腹筋と骨盤の底にある骨盤底筋群は連動して働くため、頑張って腹筋トレーニングをしなくても、骨盤底筋を動かすことで自然と腹筋が刺激されます。普段の生活にこの感覚を取り入れることが、「くびれ」への第1歩。同時にお腹をへこませて薄くする意識を加えれば「くびれ」はさらに近づきます。

「出す・支える」という相反する2つの役割

骨盤底筋群の役割はそれだけではありません。腹筋と連動することで体幹部の安定性が高まり、姿勢がキレイになり腰痛の予防効果も期待できます。また、成人女性の多くが経験すると言われている「人には言えない悩み(腹圧性尿失禁)」も骨盤底筋群の機能が低下したことにより起こります。加齢による筋の機能低下は確実におこるため、そういった症状を経験する可能性は十分に考えられます。女性は加齢以外に、大きな負荷がこの部分に短期間にかかることがあります。それが妊娠と出産。妊娠中は内臓に加え赤ちゃんの重みがかかります。そしてお産の時には外の世界に出ても大丈夫なところまで育った赤ちゃんがここを通って生まれてくるため、短期的にかかる負荷は大きく、ダメージが起こります。体はダメージを受けると、それを修復し元に戻ろうとする性質がありますが、何もしなければ、完全には元に戻りません。女性の骨盤底筋群にかかる大きな負荷と長期的に起こる機能低下を考えたとき、そのような症状は起きて当然くらいの覚悟はしておきたいものです。

ウエストラインが気になる......と思ったら、見えない部分を意識するところから始めましょう。骨盤底筋群のエクササイズは、見えるところを変えるだけでなく、女性としての機能を高めることができる、女性必須のエクササイズです。

【今月のエクササイズ】 骨盤底筋のエクササイズ

背筋を伸ばして座りましょう。坐骨でまっすぐ立つイメージです。骨盤の底を骨盤の中に引き上げるようにギューッと力をいれお腹もへこませ、5秒キープ。

ライター: 小林 香織(一般社団法人日本マタニティフィットネス協会 理事兼チーフディレクター)