何かに挑戦するパワーは自家発電 -マタニティビクスに出会って知った、身体を動かすことの大切さ

妊婦になって初めて気づいた、運動不足。身体を動かすことで、エネルギーがチャージされ、次に何かをするパワーの源になるということがよくわかりました。

妊婦が弾んで、走って、音楽に合わせてダンスする。そんな想像をしたことがあったでしょうか?

妊娠をきっかけに偶然通い始めた産婦人科では、体重コントロール、腰痛・肩こり・便秘・足のつりなどの不快症状解消、高血圧・蛋白尿などの予防・改善、産前産後の体力アップ、そして妊婦自身のストレス発散を目的にマタニティビクスへの参加を推奨しています。受講開始時期は妊娠13週です。

経験した方も多いと思いますが、つわりの時期は本当に先の見えないトンネルの中をさまよっている気分になります。これまで経験したことのない身体の不調、気分の浮き沈み、無気力、そして孤独感。明日がやってくることが憂鬱とさえ感じたこともありました。つわりも後期にさしかかると少しずつ体調が戻りますが、私は先入観から"妊婦は安静にしていなければならない"と思いこんでしまい、淡々と毎日を過ごすことになったのです。生きるパワーが出てきませんでした。

元来私は体を動かすことが好きなのですが、なかなかマタニティビクスに通おうという気力が起こせませんでした。しかし、16週目にようやく重い腰を上げる決意をしました。スタジオでは20名近くのお腹の大きな妊婦が集まり、誰もが屈託のない笑顔でエクササイズの準備を始めています。そして、いきなりハイテンポな音楽がかかり、妊婦だからと容赦しないエクササイズがスタートします。ウォーミングアップ、筋力をつけるスロートレーニング、エアロビックダンス、フロアエクササイズ、クールダウンとみっちり1時間のエクササイズ。事前に胎児の心音確認とメディカルチェックが行われていること、プログラム内容が産科医師と運動の専門家がマタニティに特化して開発した信頼からくる安心感。この2つの大きな理由から、これまで感じたことのなかった"解放感"と"自由"を味わうことになるのです。思い切り腕と脚を伸ばし、大きく息を吸い、弾んだり走ったり、私の身体の中にどんどんとパワーがチャージされていくことが感じられました。"こんなこともしていいんだ!"それは驚きの連続で、私自身の中の固定概念が音を立てて崩れ、そこからまた新しいパワーとエネルギーが溢れてくるのが感じ取れます。もう、無気力や孤独感なんてありません。お腹に宿る赤ちゃんと自分自身の体調さえ許すのであれば、もっとエネルギッシュに色々なことにチャレンジすることができる、そんな勇気が湧いてきました。

日本マタニティフィットネス協会では週3〜5回のマタニティビクスの参加を推奨しています。妊婦の中には150回通い、"自分らしいお産"を叶えた方もいるそうです。私自身も週3〜4回参加目標としていますが、続けられる理由があります。まずは、インストラクターの質が高いことです。厳しい産科学と実技試験を突破した、スペシャリスト達です。"誰のため?""何のため?"そして"2つの尊い命を預かっている使命感"を念頭に高いプロ意識を持って臨むため、クラスは笑顔で溢れ、エネルギッシュです。また、それぞれのエクササイズが出産を迎える私達になぜ必要なのかを細かく説明してくれます。もう一つは、スタイルアップを実感できることです。妊娠すると体型が崩れやすく、太りやすいのですが、エアロビクスという有酸素の全身運動に加えスロートレーニングで筋力アップするため身体が引き締まることを実感できます。筋力アップすれば、出産、産後の体力アップにつながり、更には先にやってくる更年期を乗り越えるための土台と運動習慣を作ることができるのです。

妊婦になって初めて気づいた、運動不足。身体を動かすことで、エネルギーがチャージされ、次に何かをするパワーの源になるということがよくわかりました。私達はどうしても日々の生活の中でリミットを作り、その中で動き回ろうとしてしまいます。でも、そのリミットという殻を少しずつ破ることで、よりパワフルに!よりエネルギッシュに!暮らせるということ。いつも頭の片隅に置いておけるといいなって思います。

取材協力:日本マタニティフィットネス協会 http://www.j-m-f-a.jp/

※マタニティフィットネス参加については、受診する医師の方針に従ってください。

文章:rocco(イメージコンサルタント)