心と体にポジティブに作用する感謝の気持ち

「感情」と「心臓」の関係性についての研究を行っているアメリカのハートマス財団の研究によると、「感謝の気持ち」といったポジティブな感情は脳や心拍リズムと同期していて、「コヒーレンス」と呼ばれる、心身共に規則的で安定している状態を生み出すことが分かりました。

「感情」と「心臓」の関係性についての研究を行っているアメリカのハートマス財団の研究によると、「感謝の気持ち」といったポジティブな感情は脳や心拍リズムと同期していて、「コヒーレンス」と呼ばれる、心身共に規則的で安定している状態を生み出すことが分かりました。コヒーレンスの状態にある時、私たちの体の生理機能は円滑に機能し、感情のバランスが安定し、精神的な明瞭さが生まれるのだそう。

感謝の気持ちを抱いた時と、不満を感じた時の心拍数を見てみましょう。

まず感謝の気持ちを抱いた時の心拍数のグラフがこちらです。

心拍リズムが規則的で安定している「コヒーレンス」の状態にあるのが分かりますね。

では不満などのネガティブな感情を抱いている時はどうなるでしょうか。

明らかに心拍リズムが乱れているのが分かります。

これを見ると、感謝の気持ちを持つことは単に私達を優しい気持ちにしてくれるだけのものではなく、体にも影響があるということが分かります。実際、ハートマス財団の更なる研究によって、下記のような健康上の利点があることも判明しました。

①ホルモンバランスの改善、DHEA(通称:若返りホルモン)の増加につながる

②「感謝トレーニング」を行うことで、心の中のポジティブな感情の度合いが大幅に増す

③「IgA抗体」と呼ばれる病原菌から体を守る抗体が増加し、体の免疫機能が高まる

④普段から可能な限り感謝の気持ちを持つことで、脳と心臓と神経の連携が強化され、「コヒーレンス」の状態を維持しやすくなる

心にも体にもポジティブに作用する感謝の気持ち、日ごろから常に表現していきたいですね。そこで、上記②にある「感謝トレーニング」を実践してみませんか?

①心臓から呼吸をしているイメージで、ゆっくりと深呼吸をしてください。5秒吸って5秒はいて......を、心身ともにリラックスするまで繰り返しましょう。その状態で意識は心臓と呼吸に置いたまま、嬉しかった出来事を思い出し、心の中で再体験して感謝しましょう。タイミングは起床時、仕事や家事の合間、帰宅途中や就寝前など、回数は1日2、3回がオススメです。

②感謝していることを手書きでリストにしてみましょう。どんなに小さなことでも構いません。毎朝そのリストの中から1、2個選び、そのことを心に刻んで1日を過ごしましょう。1日が終わったら寝る前にまたリストの中から1、2個選び、心に刻んだまま眠りにつきましょう。

③上記②の感謝リストを、ジャケットのポケットやバッグの中などに入れて持ち歩きましょう。ストレスを感じる場面に直面したら、リストを取り出して、感謝の気持ちを瞬時に呼び起こしてくれるものを1つ選びましょう。

これを続けることで、幸福感、充実感、リラックス感を感じやすくなり、周りへの深い感謝と愛情が自分の中に湧き上がってくるはずです。些細なことにも感謝をしたり、幸せを見出すことを忘れずに日々過ごしていきたいですね。

脚注