東京とワシントンやモスクワを繋ぐ線。
よく見るとそれらは、ハワイとウチナーンチュや、サハリンとコリアンという「点」によって結ばれた線であることがわかる。
2016年の締めくくりに、故郷山口でプーチン大統領を迎えた後、日本の首相はハワイでオバマ大統領とパールハーバーの慰霊を行うという。
今回の日米会談がハワイで行われることの意義は非常に大きい。ハワイはまさに日本とアメリカの間にある島で、奇しくもオバマ大統領の生まれ故郷でもある。
ロシアと日本の間には北方領土が含まれたサハリン州があり、在樺コリアンたちの存在がそこに関係していることを私は前回述べた。
【参考記事】プーチン大統領の訪日を前に
日露の間に「サハリン」があるように、日米の間には「ハワイ」がある。サハリンを通じて「コリアン (朝鮮半島)」の存在を再定義したように、ハワイを通じて「ウチナーンチュ (沖縄)」を捉え直すことは、これからの日本の形を考える大きなヒントになるだろう。
ハワイのデービッド・イゲ州知事は沖縄県の中頭郡西原町にルーツを持つウチナーンチュ3世だ。5年毎に開催される「世界のウチナーンチュ大会」第6回大会で今年10月に沖縄を訪れたイゲ知事は「沖縄は私のルーツであり、ハワイに居ても米国内を旅行していても、那覇にいても、私はウチナーンチュであることを誇りに思っている」と語ったことを琉球新報が伝えている。
ハワイからは他にもマウイ郡の新川アラン郡長など約1800人の沖縄県系人たちがこの大会に参加した。
日本という国の中心に本州という島があるのだとすれば、その周りには北海道やサハリン、九州や朝鮮半島、沖縄や南洋の島々が存在している。地方やマイノリティといった「点」に結ばれることで世界と繋がっている。
日本はそんなアジアの波打ち際に位置する島嶼国家だ。