なぜレズビアンになるのか、という問い
あなたならどう答える?レズビアンの美人率でも書いたように、「一体なぜ、どんな人がレズビアンになるのか?」という疑問を持つ人はかなり多いようです。そんな人には「ではあなたはどうして異性愛者になったの?」と問いかけてみたいところ。今回は中でも聞かれがちな、「男性にトラウマがあるからレズビアンになったの?」という問いかけに対する回答となる、2つの事実を書いていきたいと思います。
事実1. 男性にトラウマがあっても恋愛対象は異性という女性の方が圧倒的に多い
レズビアンに対して、以下のように言われているのを聞いたことはありませんか?
「お父さんやお兄さんにトラウマがあるとか?」
「レイプされた経験がある?」
筆者はこういった質問に物申したい。いきなりそんなことを聞くのはデリカシーが無さ過ぎる! というのも、直接本人にこうした質問をぶつけてくる人も少なくはないからです。また、ストレート(異性愛者)も含めた女友達のコミュニティにおいて「小学生の時、男子がスカートめくりするのが流行ったよね」「通学路に露出狂が出てさ〜」なんて話題になったことがあります。そんな時にレズビアンである筆者が、「私もあったことある」などと言おうものなら、「あー、だからか...」「やっぱりね」といった視線を向けられます。おいおい、勝手に納得しないでくださいな。だから同性愛者になったなんて思うなら、似たような経験を持つあなたたちが異性愛者なのはおかしい、というハチャメチャな理論になってしまう。
もちろんレズビアンの人の中にも、男性から性的に虐げられたことがある方もいるでしょう。しかし、それは異性愛者の女性にも言えることです。ご存知のとおり、レズビアンはストレート女性よりも少数です。つまり、性的虐待の経験を持っていたり、痴漢やセクハラの被害を受けたことがあっても恋愛対象は男性、という女性もたくさんいます。男性が苦手になった=恋愛対象が女性になる、という方程式はあまりにも単純です。
事実2. 性的被害にあうのは女性だけではないのに、ゲイは「女性にトラウマがあるの?」と聞かれない
反対にゲイ男性に対して、「女性にトラウマがあるから男性が好きなの?」といった疑問の声はほとんど聞かないのが不思議で仕方ありません。ここから、性的な被害にあうのは女性、という偏見が見えてくる気がしませんか?
女性も男性もその他の性別でも、性犯罪に巻き込まれる可能性はありますし、DVだって異性間だけのものではありません。しかしながら、DVは女性があうもの、というイメージに悩まされて、妻からのDV被害を訴えられない夫もいるそうです。2014年7月からは、厚生労働省により、男女雇用均等法の中で同性間の言動も場合によってはセクハラに該当することになりました。それ以前は異性間のやりとりしかセクハラととして認められなかったということです。このように、性別で縛られた偏見は多々あります。性的な被害は女性のものという偏見が、「レズビアンは男性にトラウマがある」といった考え方を生んでいるのかもしれません。
結論:レズビアンが男性にトラウマがあるとは限らない
「男が怖いからレズビアンになったんだ」などと言う人々には、セクシュアリティは職業のように「なろうと思ってなる」ものではないということをもっと広く理解してもらいたいです。