「子どもがいないなんて、損してる!」と言わないで

子どもを持たない選択も尊重する社会になってほしい。それが私の願いです。

私は 29歳の既婚女性です。今の生活にとても満足しているのですが、あらゆる場面で私には足りないものがある、と言われます。それは「子ども」です。

私と夫は、今の子どもがいない生活に何も不満を感じていません。私たちの家庭は、笑顔と喜びで溢れています。家に空室があることや 、カレンダーに子どもの予定が書かれていないことを悲しいとは思っていません。私たちは、マスティフ犬と5匹の猫たちに囲まれた、二人だけの生活に幸せを感じています。

しかし、私たちは結婚した日から、「子どもがいないことは不幸せ」と周りから思われているのを実感する状況に何度も直面しています。知らない人に「何で子どもを作らないの?」と聞かれることもありますし、「子どもが欲しくないなんて、自分勝手」と思われることもあります。

こうした経験から、私たちにとって理想の家庭のあり方が社会の理想と一致しない時、周りからは冷たい目で見られることがある、と学びました。

周囲からの批判の根端には、「子どもがいないなんて、損している!」という思いがあるのではないでしょうか。

この意見が間違っているわけではありません。確かに私は親になったことがないため、わからないことが沢山あります。私には、出産する時の気持ちや、我が子の目を見て自分の面影に気づくときの感情がわかりません。さらに、赤ちゃんの小さな手を握ったときの心情や、自分の子どもが悲しんでいる傍ら何もできない時の絶望感もわかりません。子どもがいる生活の不安や喜びは、すべて未知の世界です。

私がこれらのことを経験していないことは、確かに「損している」のかもしれません。

決して、親子の間にある絆が、神秘的で特別なものではないと思っているわけではありません。親になることに意味がないと示唆したいわけでもありません。私は親の視点から物事を見ることができないため 、親子の絆に対して意見を言うことはもちろんできないことを承知しています。

私は批判をしたいのではありません。ただ、伝えたいことがあるのです。

事情があり子どもができない人も、子どもがいない生活を選択する人も、成功することはできますし、 喜びで溢れる充実した人生を送ることができます。社会に貢献することも、人生に生きがいを見出すこともできます。

人生をパズルに例えるとしたら、子どもを持つことは大きな一つのピースです。しかしそのピースがなくても、空いたスペースを、それ以外のことで得られる生きがいや喜び、充実感で埋めることができます。

次世代を育てるすべての親を尊敬していますし、子どもを育てることは社会にとって大きな意義のあることだと思います。一方で、親になることを選択していない教師、ライター、そして人間として、私は他の方法で社会に貢献できると思っています。

私のように子どもがいない人たちには親の視点はわかりませんし、我が子の成長を見守ることもできません。 親になる経験をしないことは確かに「損している」ことなのかもしれません。しかし、それは子どもがいる人、いない人の生活が大きく違うために生じてしまう差に過ぎません。

違いもありますが、共通点もあります。私たちも社会の中で居場所がないと不安になりますし、社会に何らかの形で貢献したい、と思っています。私たちも生きがいを見つけたいです。

ですから、子どもがいない人を「かわいそう」と思ったり、子どもを育てることに値するの生きがいを一生得られない、などと決めつけないでください。

私たちの生き方は、多くの人が思い描いている理想像とは違うかもしれませんが、決して劣るわけではありません。子どもがいない人は、損をしているわけではないし、不完全な人生を送っているわけでもありません。もちろん事情がある場合もありますが、 私のように子どもがいない人生を自ら選択する人もいるのです。子どもを持たない選択も尊重する社会になってほしい。それが私の願いです。

Lindsay Detwilerは高校の教師であり、ロマンス文学作家でもある。彼女のブログはこちらから。www.lindsaydetwiler.com(英語)

ハフポストUS版に掲載された記事を翻訳しました。

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