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2019年02月06日 18時58分 JST | 更新 2019年02月07日 14時11分 JST

批判ばかりするのは疲れた。だから田村淳さんの「屈託なさ」にハッとさせられる。

eスポーツチーム「BBV Tokyo」の立ち上げ。それは「新しいタレントのかたち」なのだという。

Kenji Ando/HuffPost Japan
イベントに登場した田村淳さん

ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんが2月6日、eスポーツチーム「BBV Tokyo」の立ち上げに際して、記者発表イベントに登場した。チームへの思いや、自分のタレントとしての在り方を淀みなく語る姿に、私はメディアで働く人間として考え込んでしまった。

この日、自身が取締役として運営するベンチャーファンド「Be Blue Ventures」のプロジェクトとして発足させたeスポーツ事業について説明をした田村さん。

記者から「タレントとしてではなく、経営者の立場としてeスポーツに関わる理由は? 」と問われた田村さんは、こんな風に答えた。

「タレントをやりながら色々な事業をやっていることを突飛だと言われるんですが、僕としては、自分がやりたいコトにお金を投資することで、タレントとしての力をメディア以外の場所でも発揮したいというだけなんです。それが新しいタレントのかたちだと思っているので」

eスポーツって?

eスポーツはエレクトロニック・スポーツの略。コンピューターゲームの対戦をスポーツ競技にしたもので、スポーツゲームに限らず、格闘ゲーム、あるいはパズルゲームなど、あらゆる対戦型ゲームがeスポーツの競技になりうる。欧米などでは、高額な賞金がかけられた世界的な大会も開催されている。

実際に身体を動かす訳ではないのでeスポーツはスポーツではないという声もあるが、田村さんは「戦う人がいて、公平なルールの下で戦いが起きれば僕は"スポーツ"と言えると思う」と語る。

「でもまだまだスポーツだと思えない人もいるのもわかる。そこをどう"演出"するかが大事だしそれが僕の役目だと思う」

「感動を生み出すゲーマーを育てたいと思うし、ただ強いだけでなく人を巻き込んでいく選手を(チームでは)とっていきたい」。

そんな風に意気込みを語った。

「思い込み」を乗り越えたい。

タレントと聞くと、キャラクターを"売り物"にしてテレビに出る仕事という固定観念もある。

しかしタレントの本質というのは、面白い"演出"でコンテンツを価値化していくということではないか、と彼は投げかける。

「ロンブーの田村淳」といえば、はっきりモノを言うタレントという印象がある人も多いのではないだろうか。

「それって間違ってるのでは?」「僕はこれが嫌いです」などリアルな声をTwitterでも発信し、"炎上"に巻き込まれることも少なくない。

2018年には、番組の企画で青山学院大学を受験。この時も「芸能人が受験なんて、受験をなめている」といった批判にもさらされたが、自分の道を貫いた。

受験失敗後に実はひっそりと慶應大学の通信課程に通い始めていたことで「本気だったんだ...」などと大きな話題を呼んだ。

とにかく屈託のない人だ。いつも思い込みを飛び越えていく。

私が初めて田村さんに会ったのは、まさに青学を目指して受験勉強をしている真っ只中だった。付箋とマーカーだらけの英単語帳を見せてくれて、「この人は汗かいてるなぁ」と感じたのを記憶している。

大学に入りたいのは、法律を勉強したいからだと言っていた。

テレビ業界も忖度からくる自主規制の連鎖で「"何となく"してはいけないとされていることが多すぎる」。真実はどこにあるのか? それをちゃんと勉強したい、と受験の理由を話した。

屈託のない第一声を。

忖度の連鎖。これは何もタレントだけの話ではない。

私もメディアの人間として、日々多くの「思い込みによる配慮」をしている。

不利益をこうむるかもしれない人たちの代弁者として、権力や新興企業に、頭ごなしに批判的な態度で向き合うことも正直たびたびだ。

例えばeスポーツ。「ゲームの中毒性をどう考えるのか」「子供の教育によくないのではないか」という切り口はもちろん大切だ。ただ、いつしか「批判する」ことが目的化した取材姿勢になっていないか。物事のある一面だけしか見ていないのではないか──。

田村さんの受け答えを見て、そんなモヤモヤとした気持ちがわいた。

当然、1人の人間として、「これを言えば傷つく人がいるのではないか」という配慮は不可欠だが、もう少し"屈託なく"発信してみてもいいかもしれない。

頭ごなしに批判するスタンスでは変えられない多くの事柄に対して、どんな情報の見せ方が可能か?

たまには、立ち止まって考えてみたいと思う。