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2018年09月12日 18時25分 JST | 更新 2018年09月12日 18時25分 JST

質の高い小児外科医療提供体制の構築―遠隔医療支援、自動診断アキネータとVRシミュレータ

現在、日本は世界に先んじて少子高齢社会に突入しています。

・少子高齢社会と小児外科医

現在、日本は世界に先んじて少子高齢社会に突入しています。そのような中でも先天性食道閉鎖症先天性胆道閉鎖症 ... 小児外科医による治療が必要な子どもは毎年必ず一定数誕生しています。しかし、子どもの少ない地域においては経験を積んだ小児外科医がそこにいても力を思う存分に発揮できません。また、そのような地域では若い小児外科医が少ない症例数の中で十分な経験を積めないという事態が生じてしまっているのです。症例数が限られる中で質の高い診療をどのように維持していくのでしょうか。

・全国で質の高い小児外科医療体制を構築するために

現在、全国で質の高い小児外科医療体制を構築するために名古屋大学小児外科は1:遠隔医療支援体制による情報の共有、2:自動診断システムアキネータの構築の2点に取り組んでいます。1ではリアルタイムに全国の小児外科医が患者さんの情報を共有することができます。症例数の少ない疾患であってもその経験を情報共有によってそれぞれの小児外科医が蓄積することができるのです。また、その領域における経験が豊富な医師による見解をどこでも提供することができます。2におけるポイントは危険の事前察知です。いくつかの症状から危険な状態を自動的に察知するシステムの構築に取り組んでいます。

・VRシミュレータで若手小児外科医を育成すること

また、情報の共有だけでなく若手小児外科医の育成にも取り組んでいます。症例数が少ない中で活躍するのはVRシミュレータです。VRと実際の臓器に近い模擬臓器を用いたシミュレータによる訓練を積むことができます。また、手の動きの解析により手術の習熟度を可視化することにも取り組んでいます。

名古屋大学医学部附属病院は小児外科における日本のリーディングホスピタルの一つです。メディカルノートでもその取り組みを特集しています。

参考:日本の小児外科をとりまく現状を打破するために-名古屋大学小児外科で行う小児外科医育成の取り組みとは?

【執筆/インタビュー】

井上祥(メディカルノート共同創業者・取締役/医師・医学博士)

Medical Note

2009年横浜市立大学医学部卒。横浜労災病院初期研修を経て2011年より横浜市立大学大学院医学教育学・消化器内科学、2015年3月に医学博士。一般生活者の医療リテラシー向上と「医師と患者をつなぐ」を理念に株式会社メディカルノートを創業。Medical Noteは2018年7月時点で月間1000万人を超えるユーザー、47000のFacebookフォロワーを持つ日本有数のオンライン医療情報プラットフォームに成長し、Yahoo!と業務提携。2008年北京頭脳オリンピック"WMSG"チェス日本代表。日本医療機能評価機構EBM普及推進事業運営委員。NPO法人医療の質に関する研究会理事。東京都医学総合研究所客員研究員。横浜市立大学医学部非常勤講師。