■ハフィントンポスト1周年イベント「未来のつくりかた」
昨日、当メディア「ハフィントンポスト」の1周年イベントに参加してきたのでメモと所感を。
今回のテーマにすごく興味があって参加したというより、比較的初期からのハフポ・ブロガーとして一周年のイベントに参加したという感じです。
ただ、申し込んでから、何やら大物がブッキングされたり、追加でどんどん面白そうな人が増えていき、最終的には、CSR(企業の社会的責任)関連の項目も多く興味深い話が聞けた感じになりました。
今回注目していたのが、特別対談:「未来のつくりかたーーこれからのワークライフバランスとは」と題した、小室(株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長)さんと、ハフィントンポスト日本版編集主幹の長野さんの話、P&Gの石谷桂子さんの特別講演:「未来のつくりかたーー企業はどう多様性活用に取り組むのか P&Gの事例紹介」の2つです。
ワークライフバランスや、女性活用(女性の活躍)の話はCSR領域でも非常に注目度が高いです。ハフィントンポストでは、以下のような記事もあるのでこちらもご参考までにどうぞ。
僕が書いた、女性活用に関するオピニオンとデータのまとめです。
ハフポって、結構ソーシャルなメディアなんですよね。あっ、ソーシャル=社会志向性が高い、ってことです。アクセスが伸びないからなのか、他のビジネス系メディアではこういう記事ってあんまりないんですよねぇ。
会場は学校の体育館みたいな所で、蒸し暑かった(笑)ハフィントンポストのブロガーも数人は確認できました。ハフポの元・インターンの子も発見しました。メディアのイベントということもあり、様々なメディア関係者の方が来ておりました。というわけで、空調がまったくない中必死にメモしました(笑)
ちなみに、イベントの空気感やイベント参加者のツイートは以下でまとめていますのでご参考までにどうぞ。
■イベント・メモ
○冒頭の挨拶:長野智子さん(ハフィントンポスト日本版編集主幹)
会場の説明、3331の名前の由来、ハフポの目的は「あなたの言葉が未来をつくる」、既存のメディアは発信するだけ、ネットメディアは情報を発信することからスタートし情報のコミュニティを作る事、そこから社会につながっている。
○開会の辞:キャロライン・ケネディさん(駐日米国大使)
社会変革は個人からも始まる。ソーシャルメディアがそれを可能にした。日本の女性は行動を起こした。そして社会は変わってきた。女性の活躍による経済活性化も期待できるし、政権でもそれはある。女性のエンパワーメント、女性の社会進出について政府は企業と協力し、大手企業は女性の多様なキャリアを準備すべき。
○特別対談:「未来のつくりかたーーこれからのワークライフバランスとは」登壇者:小室淑恵さん(株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長)/ 長野智子さん
長男を出産後8年前、起業した。当時は2人目は絶対いやだった。でも、旦那さんが働き方をかえてくれて、生活が楽になった。長時間労働を辞めることで、多くの社会問題をかえることができるのではないか。長時間労働を減らせば、企業の業績があがる。コストとリスク。人をリストラするのではなく、残業を見直し、残業代の圧縮を行う。父親が夜ご飯の時にいることが重要。管理職は残業代はでないので、家に帰る。ワークライフバランスは儲かる。実際、ウチの会社は残業なしで、8年間増収増益。女性の働き方を変えるには、男性の働き方を変えるしかない。
○パネルディスカッション:「イクメン先進国に学ぶ」
・ミッコ・コイヴマーさん(フィンランド大使館参事官)
・イェンス・イェンセンさん(一般社団法人 日本コロニヘーヴ協会・代表理事、エディター、コンサルタント)
・吉田大樹さん(NPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事)
・境治さん(コピーライター・メディア戦略家)
フィンランドでは、イクメンではなく「お父さん」。父親は育児をするのが当然。フィンランドは福祉社会。共働きしやすい。夕食は毎晩家で食べる。政治に興味を持つ事が重要。日本は企業がパワーがある。
笑っている父親を増やそう。子供の成長を見逃している男性陣が多いのでは?「WLBとは仕事・人生の調和」。ライフは"生活"ではなく、"人生"と訳すとイメージしやすいのかもしれない。家庭で育児の当事者になる。
WLBに興味がある人は会場の半分くらい挙手。女性、男性の差はそんなにない。制度は北欧レベルに近づいている。職場の改革が必要。子育てを社会全体のムーブメントにする必要になる。イクメンになりたい男性ってどれくらいいる?
PTA制度はデンマークにはない。やらなくても変わらないでしょ。(会場・爆笑)
○特別講演:「未来のつくりかたーー企業はどう多様性活用に取り組むのか P&Gの事例紹介」:石谷桂子さん(P&Gジャパン株式会社執行役員)
ダイバーシティを経営戦略にしているわけ。多様な消費者のニーズを見定めるために、会社側にも多様な人材が必要となる。フレキシブルな働き方がある。1990年P&G入社。結婚したり、産休・育休もちゃんととった。神戸と東京と行き来するようなものだった。海外に行った。子供も海外で7年。
○クロージング:「未来のつくりかたとはーーハフィントンポスト日本版この1年と今後の展開」:松浦茂樹さん(ハフィントンポスト日本版編集長)
我々が発信した情報を、次の読者に届けるような仕組みを作れればと思います。大手ポータルに情報配信して終わりではない。ニュースは発信してからが価値を生んでいくもの。
○閉会の挨拶:西村陽一さん(ザ・ハフィントン・ポスト・ジャパン 代表取締役)
1年経って、月間1,000万人ユーザー。特色を出していく。ブロガーと読者の対話など、様々な対話を生み出していく。
○雑感
僕が思うのは、小室さんが言っていることは「残業代が確実に出ている」が前提。サービス残業がはびこる社会において、きっちり残業代を出す企業も結構多い印象がありますけどね。総論賛成ではありますけど、ちょっとキレイごとというか。多様なキャリアを準備することは、企業の規模を問わず大切なことですよね。
P&Gや石谷さんがすごいってのはわかった。でも、この動きをマネできる会社って日本にいくつあるのか疑問。今回のイベントでさえ、ただハフポがワーワー騒いで、企業は何も変わらないって可能性も大いにあるわけで。できれば、自分(自社)の自慢をして終わりではなく、日本企業でこういう企業が増えればいいな、みたいな提案があるとなおよいプレゼンになったかなと思います。
制度を作れれば、社会は変えられるよねって、パネリストに言われてしまうと、それは誰もが分かっている話で、具体的にどうやったら制度を変えられるのかを議論して欲しかったかな。
■まとめ
男性の働き方が変わらないと、女性の働き方は変わらない。制度や"空気"を変えなければ、社会は変わらない。口にするのは簡単なのですが、ではどうしたらそれができるのか?という所までは時間の関係上話が進みませんでしたね。それが唯一の心残りです。
また、このイベントに参加して改めてハフポ・ブロガーのポジションもわかった気がします。扱いも、関係者じゃないし有料だし、何人かしか来てないのだから、そこは何とかして欲しいなぁ(苦笑)
それは冗談だとしても、長野さんの「あなたの言葉が未来をつくる」というのは、まさに、ハフポ・ブロガーがまずは実践すべきなのかなと。専門があるブロガーって、インフルエンサーといいますか、オピニオン・リーダーとしてのパワーを持っていると思います。
だからこそ、第一線にたち、イベントのレポートだけでなく、オピニオンも追加し、情報を発信し続ける姿勢が重要なのかもしれません。
ちなみに、本稿のコメントにあなたの意見を書いていただくことも「あなたの言葉が未来をつくる」ことだとも思います。編集部・ブロガー・読者というコミュニティの中で、何か新しい価値観や視点を作れればと思います。
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