この春デビューした2台のカメラ 4Kで楽しむ"鬼解像"ムービー

写真の世界は、ここ何年か、鬼解像の時代です。鬼解像とはぼくが勝手につくった言葉ですが、鬼のようにシャープな“超現実的”描写がされた写真のことで、カメラもそうした写真を撮るための“ローパスレス”モデルがよく売れたりしています。髪の毛一本一本とか、岩場のゴツゴツの細かい模様なんかをびっしり細かく表現した写真を見ると、えもいわれぬ快感をおぼえます。

写真の世界は、ここ何年か、鬼解像の時代です。

鬼解像とはぼくが勝手につくった言葉ですが、鬼のようにシャープな“超現実的”描写がされた写真のことで、カメラもそうした写真を撮るための“ローパスレス”モデルがよく売れたりしています。

髪の毛一本一本とか、岩場のゴツゴツの細かい模様なんかをびっしり細かく表現した写真を見ると、えもいわれぬ快感をおぼえます。

映像はどうでしょうか。

4Kテレビが市場に現れてから2年あまり。昨年まではかなり高価なものしかなかった4Kカメラも、ようやく手に入りそうな価格のものが出始めてきました。

しかし昨年からいろいろな4K映像をみたり、実際にカメラにも触れてきた上で言わせていただくと、4Kで撮ったからといって必ず解像感の高い映像になるっていうものでもないのです。

映像に求める解像感の定義は人によってまちまちでしょうが、個人的な考えを言わせてもらえば、フルハイビジョンの4倍もの解像度があるわけですから、カリカリッ、ピシッとシャープでありつつ、階調は暗部から明部まで幅広く、豊かであって欲しい。

だけれども、そういう4K映像は、サンプル映像も含めて今のところ非常に少数です。

これには、まずそういう映像を目指しているカメラがまだ少ないということが理由としてあげられると思います。とりあえず3840×2160という4Kの規格に則した映像は撮れるけれども、その絵からバリバリの解像感が迫ってくるかというと、実はそれほどでもなかったりするんですね。

解像度は高いかもしれないけど、解像感が高いわけではない。

そもそも映像の世界の人は、まだ鬼解像のエクスタシーを知らないんじゃないかとすら思えるくらいです。

■安定感バツグンのパナソニック DMC-GH4

そこで、本日ご紹介する1台目のカメラ、パナソニックのDMC-GH4です。

ぼく自身、このカメラのシリーズは代々買い続けてきていまして、非常に完成度の高い一眼ムービー機だと思ってきました。先代のGH3は、その高機能、安定感、操作性と、全てにおいてトップクラスだと感じていたのですが、それからわずか1年で登場したこのGH4は、GH3ってなんだったんだろうと思わされるくらいに大進化していました。

(※YouTubeの視聴設定を4Kにしてご覧ください。4Kモニターでなくても、充分に解像感を楽しめます)

この作例は、月刊ビデオSALONの企画(今月号です。玄光社から絶賛発売中!)のためにお借りした試作機で撮影したものですが、東京スカイツリーの鉄骨にある非常に細かいパーツまでがくっきりと描写されているのがわかると思います。

実は、レンズは純正ではなくオリンパスのM.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8を使っているのですが、ぼくの中ではこのレンズとGH4の組み合わせが最強です。このコンビで撮ると、肉眼でも味わえないくらいの“鬼解像な世界”が堪能できます。

どうです? 細かいパーツとか、苔のひとつひとつがくっきりと見えると、それだけですごく気持ちよくなりませんか?

■今まで見たことない鬼解像タイムラプスの世界 PENTAX 645Z

そしてもう1台は、リコーから発表された、PENTAX 645Zです。

このカメラはなんというか……雪男みたいなものでしょうか。

とにかくデカイし、力もある。だけど、山奥にひとりで住んでる、みたいな。

なにしろ“孤高の頂”とキャッチコピーでもうたっているくらいですからね。

このカメラは写真愛好家の方ならご存知かと思いますが、非常に希少な“中判デジタル”カメラで、CMOSセンサーが43.8×32.8mm(フ ルサイズ機は約36×24mm)と巨大です。

実はこのモデルからフルHDでのムービー撮影も可能になったのですが、それよりも興味深いのは、「中判カメラで微速度撮影ができる!」ということです。

JPEGのLサイズで撮った場合8256×6192という、8Kサイズ(7680×4320)をも上回る画面サイズとなる、おそらく現行の微速度撮影可能なカメラとしては唯一のものです。

こちらの動画も是非、4Kに画質設定してご覧ください。

実はこれ、撮っているときにはそれほどには感じていませんでした。微速度撮影も何度か経験しているので、まあ、似たようなものだろうなと。

ところが、帰ってからPCで再生してみて、びっくり! はっきり言って、これほどの解像感は未体験ゾーンです。

この映像は645Zの体験イベントでも上映していただきましたが、やはり反響が大きかったと聞いています。

参考までに、画素数の比較表をつくってみたので、こちらもご参照ください。

645Zの大きさと、フルHDの小ささがよく実感していただけるかと思います。

最近、ミラーレス機に慣れきっていたせいで、はじめは“こんなでかいカメラでなにを撮るんだ?”と不思議に感じていましたが、撮った映像を見ると、やはり非常に魅力的です。

価格がボディだけで863,460円(税込)と決してお手頃とは言いがたいカメラですが、この“超絶・鬼解像”な映像を見てしまうと、微速度撮影だけのために購入してもいいかも……と、最後に皆さんをそそのかしておくことにします。

ストリートで見つけたモデルを撮影

3歳のカメラマン ギャラリー

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