インフルエンザ。。。。これは、代謝疾患には脅威のウイルスといわれています。周囲の皆さんが、ワクチンを接種され、手洗いやマスクなどに気を配ってくださることで、私たちは守られています!

先天性有機酸代謝異常症の一つである難病「メチルマロン酸血症」の長男コタローくんの母、柏木明子さんのブログです

土曜日から日曜日にかけて、久々にコタローが高熱を出し、食欲がなくなってしまいました。

コタローの病気は、脱水や長時間の空腹が非常に良くないと教育を受けているので、あまり飲めない、食べられないというのは危険信号です。

ここで難しいのが、「病院を受診するタイミング」なのです。

乳児や幼児期は、体調が悪くなると、真っ先に嘔吐があったり、眠ってばかりで起きない、呼吸が荒くなる、などわかりやすい目安がありました。

しかし、ある程度年長になってきて、体力がそこそこついてくると、そうした兆候が分かりにくくなってくるのです。

代謝の子の受診のタイミングは、

「いつもより元気がない」

というのが目安のひとつとされています。

でも、、、でもですよ、、、

夜間や休日に

「いつもより元気がないのですが、診ていただけますか?」

と救急外来に行くのは、ものすごく勇気が必要です。

検査結果が本当に悪ければ

「早めの判断でよかったですね」

となりますが、

特に悪い数値がでなかったときは、安堵もつかの間・・・同時に襲いかかるあのバツの悪い空気感には堪え難いものがあります。

そこで主治医と相談の結果「尿ケトン検査紙」を自宅に置くようになりました。

「元気がないので心配で...」と駆け込む場合と、

「ケトンが++なので心配です。診ていただけますか?」と具体的な数値を持って受診するのとでは、やはりドクターの表情や対応が全く違いますし、なによりコタロー本人がすぐに適切な治療を受けられるので安心です。

さて、お話戻りますが・・・

日曜日、高熱に加えて尿ケトン検査紙で強い陽性を確認したので、1年半ぶりに救急外来を受診しました。

季節がら「念のため隔離個室で点滴をしながら、検査結果をまちましょう」ということになり、結果は、インフルエンザA型(+)でした。

すぐさま治療薬を点滴に追加していただき、十分な補水やブドウ糖によって食欲も出てきたことを確認して、無事帰宅となりました。

インフルエンザ。。。。

これは、代謝疾患には脅威のウイルスといわれています。

コタローはもちろん予防接種を受けていましたが、普段から免疫抑制剤を服用しており、もともと抗体が定着しにくい体質もあり、ワクチン接種していても、これまでいろいろな感染症を発症してしてきたコタローです。

発症の都度、早めの入院加療で、幸いにも危険な事態を回避してくることができました。

コタローのように「感染に弱く、罹ると命にかかわる体質」を持つひとは、世の中にたくさんいらっしゃるのだそうですね。

普段元気に生活させていただいている私自身も、じつは心臓に問題をもつ、感染弱者です。

周囲の皆さんが、ワクチンを接種され、手洗いやマスクなどに気を配ってくださることで、私たちは守られています!

これ以上感染症が拡大しないように、 どうか引き続き、 皆さまには予防を徹底していただけますよう、こころよりお願いいたします

柏木明子

先天性代謝異常症の子どもを守る会 代表

プロピオン酸血症とメチルマロン酸血症の会 代表

先天代謝異常症の患者家族会ネットワーク メンバー

Organic Acidemia Association メンバー

(2014年1月28日「ムコネットTwinkle Days」より転載)

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