銅によってさらに実用化に近づいた原子レーザー

短波長レーザーでコヒーレントX線を生成することは、X線科学の長年の目標であった。

短波長レーザーでコヒーレントX線を生成することは、X線科学の長年の目標であった。これまで、X線自由電子レーザーで励起するネオン原子を用いた原子レーザーが軟X線用に開発されている。

今回、米田仁紀(電気通信大学ほか)たちは固体銅ターゲットを使って、硬X線領域の1.54 Åの原子レーザーを実現した。ターゲットは、SACLA(SPring-8 Angstrom Compact Free Electron Laser)によってイオン化され、増幅された強い自然放出が実現された。得られた原子レーザーは、X線自由電子レーザー励起パルスよりエネルギーの高いX線ビームを生成した。その波長は、これまでの報告されたものの約10分の1であり、超高速X線分光法や量子光学に多くの機会が開かれるであろう。

Nature524, 7566

2015年8月27日

原著論文:

doi:10.1038/nature14894

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