細胞内の数多くのさまざまな分子を直接可視化できれば、多くの重要な過程の理解が深まる可能性があるが、既存の方法ではまだ困難である。
今回L Weiたちは、電子的な前期共鳴条件下での誘導ラマン散乱測定によって、生細胞中において色素標識したさまざまな標的分子を非常に高い選択性と感度で撮像できることを示している。
著者たちは、細胞がラマン信号を発しないラマンスペクトル窓において信号を発する新しい色素群を合成し、容易に観察できるようにした。
Advertisement
また、色素標識した16の異なる標的を生細胞内で撮像した結果についても報告している。
神経共培養と脳組織で行った原理証明実験によって、今回の超多重光学撮像法で複雑な生体系における複雑な相互作用を解明できる可能性がさらに明確に示されている。
Nature544, 7651
2017年4月27日
doi:10.1038/nature22051
【関連記事】
電子顕微鏡内で振動分光 Nature514, 7521 2014年10月9日
原子の種類を見分ける電子顕微鏡 Nature450, 7170 2007年11月29日
細孔とゲスト分子の関係 Nature450, 7170 2007年11月29日
高周波走査型トンネル顕微鏡 Nature450, 7166 2007年11月1日