DYNLL1はゲノム安定性と化学療法への応答に影響を及ぼす

この機構は、PARP阻害剤への抵抗性に寄与していると思われる。

PARP阻害剤と総称される治療薬を投与された乳がんなどのがんでは、治療抵抗性が生じることが知られており、抵抗性が生じるさまざまな機構が報告されている。そして今回、D ChowdhuryたちはDYNLL1タンパク質に依存する新たな抵抗性機構を明らかにした。DYNLL1はDNA二本鎖切断の際の末端削り込みに拮抗的に働くことで、相同性修復を阻害することが分かった。一部の乳がんや膵臓がんの細胞で見られるDYNLL1発現の低下は、無増悪生存期間の短さと相関しており、それは相同組換えの回復によってがんのゲノム安定性が増すからである。この機構は、PARP阻害剤への抵抗性に寄与していると思われる。

Nature563, 7732

原著論文:

doi: 10.1038/s41586-018-0670-5

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