今回、クラスAのGタンパク質共役受容体(GPCR)27種類の包括的な構造解析によって、受容体の活性化経路は非常に多様であるものの、Gタンパク質結合ポケット近くでは高い類似性が見られることが明らかになった。
この類似性は、膜貫通ヘリックス間でのアミノ酸残基の接触状況に生じる構造的再編成が、非常によく保存されていることによっている。さまざまなGPCRが、非常に多様なリガンドによって開始される活性化段階を経ながらも共通のGタンパク質群に結合できる理由が、この知見で説明できるかもしれない。
またこの結果は、構造に基づいた創薬のためにGPCRのモデルを作製したり、GPCRを改変したりすることにも関わってくるだろう。
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Nature536, 7615
2016年8月11日
doi:10.1038/nature19079
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