祖先的鳥類の頭蓋が明らかに

これまで見過ごされていた2つの要素を見いだした。

ステム群有歯鳥類イクチオルニス(Ichthyornis dispar)の頭蓋の復元像と、これを基にして描いた頭部の想像図。

Credit: Michael Hanson and Bhart-Anjan S. Bhullar

白亜紀の海鳥イクチオルニス(Ichthyornis dispar)は、原始的な初期鳥類とより現代的な鳥類との間という系統発生学的に重要な位置を占めている。

その進化的重要性が疑われたことは一度もないが、1880年代以降、イクチオルニスの頭蓋の重要な標本は新たに報告されておらず、他の化石鳥類の頭蓋は破砕および変形しているものが多い。

今回B Bhullarたちは、1点の極めて完全な頭蓋を含む、三次元的構造が保持されたイクチオルニスの新たな頭蓋化石標本4点について報告している。

彼らはまた、恐竜化石ハンターであるオスニエル・マーシュにより発見されイクチオルニスのホロタイプとなった標本に、これまで見過ごされていた2つの要素を見いだした。

これら複数の標本のコンピューター断層撮影により得られた三次元復元像からは、イクチオルニスのくちばしが従来の想定よりもはるかに原始的なものであり、側頭部には化石鳥類の頭蓋ではほとんど知られていなかった、恐竜に似た特徴が見られることが明らかになった。

Nature557, 7703

原著論文:

:10.1038/s41586-018-0053-y

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