初期の内部太陽系の物質が示す同位体組成の変動は、原始惑星系円盤の不均一性を反映していると一般的に考えられている。
今回M Schillerたちは、ベスタ、火星、地球を起源とする試料たけでなく、ユレイライト隕石やアングライト隕石の母天体を起源とする試料のカルシウム同位体組成が、推定される母天体である小惑星や惑星の質量と相関していることを見いだしている。
これは、集積の時間スケールの代理指標を与え、岩石惑星形成領域における円盤の全カルシウム同位体組成の、急速で「永年的な」進化を示唆している。
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この永年進化は、原始太陽への質量降着に伴って、熱的な影響を受けた内部の原始惑星系円盤へ外部太陽系の始原物質が混入したことを反映していると、著者たちは推測している。
彼らは、地球と月で区別のつかないカルシウム同位体組成は、円盤の寿命の終わり近くで集積を終えた原始惑星が、月形成衝突に関与していたことを示唆するとも結論している。
Nature555, 7697
原著論文:
:10.1038/nature25990
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