ナノテクノロジーを使用するデータ記憶への理にかなった一歩

数十年にわたってコンピューターは着実に高性能化してきたが、新しいアプリケーションは大量のデータをますます高速に処理する必要があるため、今後の性能向上はいくつかの壁に直面している。

数十年にわたってコンピューターは着実に高性能化してきたが、新しいアプリケーションは大量のデータをますます高速に処理する必要があるため、今後の性能向上はいくつかの壁に直面している。

主なボトルネックは、チップ外のメモリーとチップ上の論理回路の間でデータ転送が必要なことである。

今回M Shulakerたちは、特定のデータ集約型アプリケーションに特化したコンピューターを設計するために、演算と記憶をより効率よく一体化させる新しい方法を実証している。

著者たちが開発したモノリシック集積型三次元ナノシステムには、数種の新しいデバイス技術が取り入れられている。

このシステムは、低電力ナノセンサーで周囲の気体を検知し、そのデータを100万個以上の不揮発性メモリーデバイスに記憶し、カーボンナノチューブを使った論理回路で分類する。

重要なのは、こうした異なる機能を担う層が全て同一チップ上に作製されており、シリコンを用いる技術に適合可能なことである。

今回の方法は、論理演算がデータ記憶と一体化した演算に新しい方向性をもたらすものである。

Nature547, 7661

2017年7月6日

原著論文:

doi:10.1038/nature22994

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