記憶の構造的基盤は、樹状突起スパインの安定性と長期増強の変化だと想定されて久しいが、こうした構造変化と特定の記憶とを結び付けるための手法はこれまでなかった。今回、林(高木)朗子(東京大学)たちは、直前に活動したスパインを標的とした操作が可能な、新しい光活性化プローブを開発した。運動課題を実行させた後、直前に長期増強されたスパインを光学的に収縮させたところ、学習の障害が見られた。この結果は、標的となった特定のスパイン集団と学習行動との因果関係を示唆するものである。
Nature525, 7569
2015年9月17日
原著論文:
doi: 10.1038/nature15257
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