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東京都小平市で2013年5月に都道建設計画の見直しをめぐって行われた住民投票の結果が公表されないのは違法であるとして、住民グループが小平市に情報開示を求めた裁判で、東京地裁は9月5日、住民グループの訴えを退ける判決を下した。
一歩、雑木林に踏み入ると、ここが東京であることを忘れてしまう。見上げれば見事に育ったクヌギやコナラ、足元にはきれいなドングリが散らばっている。訪れたのは、東京都小平市にある雑木林。地元の人々に愛されてきた緑豊かな一帯だが、幅30メートル以上、4車線もの都道建設によって消える運命にある。50年も前に計画されたこの都道建設に対し疑問を抱いた地元の住民グループは、小平市との対話を求めてきた。ところが、5月に実施された計画の見直しを問う住民投票に対し、小林正則市長が「投票率50%」という成立要件を市議会に提案、可決された。その高いハードルに投票率は35.17%と及ばず、有権者3分の1以上にあたる小平市民が投票したにも関わらず、その結果は現在も開票されていない。この事態を憂慮した弁護士有志は、憲法が保障する「知る権利」を守る立場から住民グループをバックアップ、訴訟がスタートした。政治に透明性を確保し、住民の意思を反映させるためにはどうしたらよいのか。雑木林が投げかけた問題は、新たな局面を迎えている。
5万人の声は、このまま捨てられるのか。50年前に決まった都道建設計画を問うた東京都小平市の住民投票。5月26日に投票は行われたが、投票率が35.17%で成立要件の50%に満たなかったとして、市は開票していない。しかし、投票者数は5万1010人。小平市民の3人に1人はこの問題に関心を寄せ、自らの意思を表明したことになるにも関わらず、条例が失効する8月末に投票用紙は廃棄されるという。市に住民の声を聞いてほしいと活動してきた市在住の哲学者、國分功一郎さんは、中沢新一さんらと6月13日、国交省に対し、住民投票の結果が明らかになるまで建設計画の事業認可を与えないよう求めた。国と地方自治体と住民。この問題を通じ対話してきた2人の哲学者が指摘する日本の“病い”とは?
市庁舎建て替え問題、住民投票は「ノー」でも市長は「イエス」。市庁舎の移転新築か耐震改修かで揺れている鳥取市で、市長は7日、新築方針を明らかにした。市民からは「住民の意思を無視した」との批判が出ている…
東京都小平市の都道建設計画の見直しを問う住民投票は、投票率が規定の50%に届かず不成立に終わった。5万枚以上も集まった投票用紙は開票もされずに廃棄される見通しだ。「開票しないのはおかしい」という意見から、「いや、理解できる」という意見。さらには投票率の低さの原因について「住民の多くが関心を持てるテーマではなかった」など、さまざまな意見が寄せられている。一部抜粋する形でまとめてみた。
東京都内の自治体として初となる住民投票が5月26日、小平市で行われる。投票では、骨格幹線道路である府中所沢・鎌倉街道線のうち、同市内を通る一部分について「建設計画を見直すべきか」を問う。市民グループを中心とする小平市民の請求にもとづき成立した住民投票条例によって実施されるが、投票結果に法的拘束力はない。
5月26日、小平市で住民投票が行われる。50年前に決まった都道建設計画の是非が住民に問われるのだ。直接請求による住民投票が実現するのは、東京都では初めてのことである。