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ウクライナ南部のクリミア半島で2日、ロシア軍とみられる武装部隊がウクライナ軍の関連施設の武装解除を進め、半島全域を掌握しつつある。これに対しウクライナ新政権は激しく反発。米英仏は、ロシアのソチで6月に開催予定の主要国首脳会議(G8サミット)に向けた準備会合を当面ボイコットする方針だ。米国は、資産凍結などロシアに対する経済制裁の可能性もあると警告した。
ロシアのプーチン大統領は3月1日、ロシア議会の臨時会議を招集し、親ロシア政権が崩壊したウクライナで軍事行動を展開するため、ロシア軍の投入を承認するように求めた。議会は数時間のうちに上院・下院ともに全会一致で承認した。ウクライナ南部のクリミア半島を中心にロシアの軍事介入が本格化する見込みだ。
ヤヌコビッチ前政権が崩壊したウクライナで2月28日、前日発足したばかりの新政権が試練に立たされた。ロシア系住民が多い南部クリミア半島で武装集団が、複数の空港に押し入るなど、緊張が高まったからだ。
ウクライナ南部のクリミア半島にあるクリミア自治共和国の議会は、同自治共和国の地位について問う住民投票の実施を決めた。事実上、ウクライナとロシアのどちらに帰属するのかを問う内容になるとみられる。
ヤヌコビッチ政権が崩壊したウクライナでは、ロシアとの結びつきが強い東南部を中心に、親ロシア派の旧政権派と親欧米路線を取る野党を支持する勢力との対立が激化している。ロシア人も多く住むクリミア半島では、ロシアへの帰属を求める人々と反対する人々がにらみ合い、一触即発の状況になっている。