真ん中の私たち

「40歳ぐらいで初めて、ハーフであることに誇りを持てたんです」
武蔵野大学を訪れたイラン出身の石野シャハランさん。大学生たちに行った特別授業で訴えた「外国人社員との共生」とは。
「イギリスの多様性に触れたことで、いまとなっては自分の名前を“着慣れた服”のように感じています」
大坂選手のバービーが加わったのは、マテル社のシーロー(強く尊敬される女性。she+hero)シリーズ。
生まれも育ちも横浜だが、朝鮮籍をもつ私。ひと言で自分の「出身」を答えられない私が、今たどり着いた先は「地球出身」だ。
自分の変な「韓国語」がバレないように、かつ「在日語」を否定しない方法はただ一つ、なるべく喋らないこと。
思えば、ほとんどの人間が「何かと何かの真ん中」にいるのではないだろうか。
フランスにいる時はフランス人だと証明する必要はなかった。「完璧」なんてない、居心地の良さ。
日本人にもなれない、イギリス人でもない、自分は何者なんだろうと分からなくなった。