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イラクのマリキ首相は14日、続投を断念すると述べ、退陣を表明した。国内外の退陣圧力に屈した形。
イラク北部では複数の武装勢力が国境地帯を不安定化させ、地域戦争の危険性を高めているが、一枚岩とは到底言えない状況にある。そこには、狂信的なイスラム教強硬派と実用主義的なスンニ派武装組織との「政略結婚」とも言える共闘態勢が存在する。
イラクでは25日、反政府武装勢力が主要な空軍基地を攻撃し、複数の小規模な油田を制圧した。マリキ首相は、1週間内に議会で新政権樹立に向けたプロセスを開始する計画に支持を示した。 同国の北部ではイスラム教スンニ派の過激派組織「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」が主導する武装勢力の進撃が続いている。
イラクで8年間にわたって政権を担ってきたマリキ首相は、かつてないほどの脅威にさらされている。
ケリー米国務長官は23日、イスラム教スンニ派の武装組織が勢力を拡大しているイラクを訪問し、米国のイラク治安部隊への支援は「強力かつ持続的」と表明した。同国のマリキ首相との会談で述べた。
イラクのマリキ首相は17日、政権に批判的なイスラム教スンニ派の代表者らと共に演説し、挙国一致の体制を築くよう呼びかけた。挙国一致を印象付ければ、イスラム武装勢力への反攻作戦を展開するマリキ政権の支援に、米国が傾く可能性も出てくる。
アルカイダ系武装集団がイラク北部の都市モスルとティクリートを掌握したことは、イラク国内の宗派間の勢力図を塗り替えるだけではなく、中東地域の国境を再編する可能性がある。
風雲急を告げるイラク。「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」という名前のイスラム教過激派の武装組織が、6月10日には北部の都市モスル、11日にはティクリートを相次いで制圧して首都バグダッドに迫っている。アメリカのオバマ大統領は13日、軍事行動を含む支援策を数日以内に決める方針を示したが、イラクのマリキ政権では宗派対立が深刻化。事態打開の道筋は不透明だ。