seishinshikkan

「日本」について考えるのが難しいのは、日本が「西洋近代」という参照枠に対してねじれた関係にあるからである。西洋近代の精神性は、現在のあらゆる信頼のおける学問の基盤になっている。その一方で、明治以来の日本と西洋近代の精神性との関わりは、「和魂洋才」の言葉に表されるように、全体としての受けいれは拒否しつつ部分的には強く同一化を目指すという歪んだあり方が中心であった。
精神疾患への世間からの注目が増えたことは歓迎すべきことではある。しかし筆者は同時に、この数年の「メンタルヘルス」への急激な関心の高まりに対しては、やや危ういものを感じている。