史上初めて、プロバスケットボール「NBA」のオールスターゲームが、アメリカ以外の国で催されることとなりました。今週末にカナダのトロント・ラプターズのホームであるエアー・カナダ・センターで開催されます。
今回のみどころは今季で引退するコービー・ブライアント、そしてステファン・カリーのプレーなどが挙げられ、例年よりも多くの興味関心を集めるでしょう。
◆カナダとアメリカにおけるNBAの人気度
NBAは「人口統計」「年代」「人種」「地理」に関係なく、全ての人々に対しNBAを身近なものにすることに成功してきています。それはカナダにおいても同様です。
NBAはファンのスポーツ関心度においてカナダでトップ5に入っています。加えて、カナダはNFLのチームを持っていないため、スポンサーシップの観点からは、この順位はより高くなります。
※カナダではCFL(カナディアン・フットボール・リーグ)が61%で2位ですが、アメリカと比較できないため下のリストには含まれていません。
NBAのチームはカナダに1つだけ(トロント・ラプターズ)なのに対して、MLS(メジャーリーグ・サッカー)のチームは3つあることを考えると、NBAのチームはMLSのチームと比べて、カナダ国内で競合がいないことがわかります。
◆トロント・ラプターズの地位
ラプターズは、ロサンゼルス・レイカーズ、シカゴ・ブルズ、ボストン・セルティックスという人気チームと比べても、カナダにおけるファンベースで極めて高い地位を築いています。
最近になって急激に人気を伸ばしているゴールデンステート・ウォーリアーズでも、カナダではトップ10から漏れており、これは地域外でファンを獲得するには時間がかかることを示しています。
もちろん、一度確立されてしまえば、試合結果とは関係なしにブルズやレイカーズの例に見るように、そのファンは極めてロイヤリティーの高いものとなりますが...。
【カナダのNBAファン】
・トロント・ラプターズ:503万6020人
・シカゴ・ブルス:69万1386人
・ロサンゼルス・レイカーズ:61万4565人
◆ラプターズのファンは誰なのか?
ラプターズファンの70%がカナダのオンタリオ州で、オンタリオをマーケットとして考えているブランドへの強力な価値提案が行えます。人口分布的には男女比は同じですが、ラプターズのファンは男性65%、女性35%と男性のファンが多くなっています。
カナダでは10万カナダドル(約800万円)以上の年収を得ているのは、全体の27%ですが、ラプターズのファンは34%もおり、このことから、ラプターズのファンはチームとそのスポンサーのために自由に使えるお金が多いことがわかります。
◆ラプターズファンはファンとしての行動に飢えている
ファンがスポンサーブランドに対してロイヤリティーが高いことは共通認識となってきましたが、下記のような観点から見ることが出来ます。
・興味:23%のファンが試合やイベント後に、スポンサー企業のウェブサイトを訪問する。この数字は一般の16%よりも高いものである。
・口コミ:22%のラプターズファンがスポンサー企業を話題にする。一般は15%である。
・検討:一般の60%に対して75%のラプターズファンがスポンサー企業について考えている。
トロント・ラプターズはロイヤリティーの高いファンを持っていることを示しています。カナダで最も大きく成長しているエリアで、ラプターズは投資先としても魅力的なものへと成長し続けています。