ビッグデータ活用について桃太郎からのことづけ

岡山から「つぶやき最多「桃太郎」...県期待の施策関連ゼロ」というニュースが舞い込んできた。内容をかいつまむと、岡山県でビッグデータを活用して戦略を考えようと分析した結果、「桃太郎」がトップで、「岡山城」「きびだんご」とが続いたという。

岡山から「つぶやき最多「桃太郎」...県期待の施策関連ゼロ」というニュースが舞い込んできた。内容をかいつまむと、岡山県でビッグデータを活用して戦略を考えようと分析した結果、「桃太郎」がトップで、「岡山城」「きびだんご」とが続いたという。つまり、岡山とセットで検索などされたキーワードの分析である。

「やっぱりそうか」と調査するまえから、そのような結果になるだろうと予測はつく。しかし岡山県としては、この結果に満足していないと言う。その理由は岡山と並列で期待していた「企業誘致補助」や「政策条例」の検索キーワードがヒットしなかったためだという。新しい事業開拓の模索ということでしょうが、分析結果を見て費用対効果を考え事業を大幅に見直すようである。

ビッグ・データの分析を行った理由は、経営の神様と称されるドラッカーなどの言葉を借りると「自らの事業が何かを決めるのは顧客である。社名や定款ではない。顧客が満足する欲求が事業を決める。事業は何かとの問いに対する答えは、事業の外部、すなわち顧客や市場の観点から事業を見ることによってのみ得られる。企業が社会の機関である以上、事業の目的は社会に求めなければならない。」『現代の経営学』(P.F.ドラッカー)というような考え方に基づいていると思われる。

今回の結果に照らし合わせると、岡山県に顧客が求めている事業とは「桃太郎」・・・ということになる。引き続きドラッカーの言葉を用いると、「桃太郎は岡山県の最大の強みである」ということになる。またまたドラッカーを使うと「自らの弱みを無視し、強みに集中しよう。強みを生かし社会に貢献しよう」という。言わずして桃太郎を生かし貢献すると言うことになる。ビッグデータを自分の期待と照らし合わせ、一喜一憂する必要などない。

私は、仕事で岡山に行くこともある。商品化されいろんな形になっている「桃太郎」と良く会う。強みが生かされていることを実感する。中でも好きな「桃太郎」に駅前の銅像がある。おばあちゃんが作ってくれた黍団子を腰にぶら下げ、雉、サル、犬を連れて鬼退治に向かう桃太郎がそこにいる。桃太郎のこの話が表している意味は何か。これは今になって日本社会で活発に議論されるようになった「ダイバーシティー」である。つまり違いを積極的に生かし力に変えるということである。ここでいうとサル、犬、雉、そして桃太郎という能力の違う同士が力合わせて鬼退治というミッションに打ち勝つということである。岡山のもう一つの強みは「ダイバーシティー先進都市」ということでもあろう。

最近、桃太郎銅像で少し異変が起きている。これは銅像に新たなメンバーが加わっていること。それは鳩である。しかも見るたびに鳩の数が増えている。これは何かのメッセージではないかと想像してみる。昔と違いこのご時世の鬼は図太い。退治には違う能力をもちあわせたメンバーも加えなければいけない、ということではないだろうか。

鳩はかつて伝書鳩として活躍した。鳩は伝書のシンボルである。このご時世の伝書はインターネットである。つまり今の時代の組織はミッションを成し遂げるのにあたってインターネット、ここでいうビッグデータを活かす必要がある。岡山県がやろうとしているビッグ・データーの活用は、桃太郎銅像からのメッセージをしっかり受信しているということでもある。ビッグデータの活用は、岡山に限らず、それぞれミッションの成功を志している日本全国の日本人に向けた桃太郎からの言づけである。

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