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新型日産リーフ【380kmロングドライブインプレッション】不便さを感じなかった充電インフラと、納得いく走行距離

ジャーナリスト 井元康一郎によるレポート
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進化したバッテリーと普及する充電スタンドの相対関係

1回の充電で長距離走行を可能にする大容量バッテリーを搭載、アクセルペダルの踏み込みを調節するだけで加速、減速が自在な「eペダル」、将来の自動運転につながる先進安全システム「プロパイロット」も用意されるなど、クルマとしての魅力を大幅に向上させた日産自動車の新世代EV、2代目「リーフ」。

初代の登場は7年あまり前の2010年。当時は充電1回あたりの走行距離が短く、また短時間でバッテリー残量を回復できる急速充電器もごくわずかしか設置されていなかった。

しかし、現在EVを取り巻く状況は劇的に変わり、全国津々浦々に急速充電器が配備されている。その数、実に7,000ヵ所以上。平均すると1都道府県あたり100ヵ所をゆうに超える計算だ。「リーフ」は40kWhという大型バッテリーを搭載し、満充電からの走行可能距離が飛躍的に伸びた。豊富な充電スポットと航続距離の長さの2つがあれば、遠乗りも恐れるに足らずというものだ。

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その2代目「リーフ」で1Dayドライブにトライした。走行ルートは横浜日産グローバル本社を出発し、東名・新東名高速で静岡の清水へ。そこから富士川沿いの美しい森林地帯を縦貫する国道52号線で山梨の南アルプス市方面に向かい、中央自動車道経由で横浜に戻るというもの。走行距離は300km台後半と、1日の行楽にはぴったりの距離だ。

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日産グローバル本社で新型リーフを受け取る。バッテリー充電率が100%であることを確認し、西に向けて旅立った。

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EVの長所である静粛性は、高速道路でも際立つ

静岡の清水までは高速道路を使ったドライブ。首都高速、保土ヶ谷バイパス経由で東名高速に乗った。

新型「リーフ」による高速クルーズはとても快適だった。車内の騒音が非常に小さく、車体の姿勢はフラット。また、道路の荒れた部分でも滑らかさを失うことがなかった。

そして静かさ。電気モーターだけで走る「リーフ」が静かというのはある程度想像がつくが、高速走行時の騒音の発生源はパワートレインだけではない。空気を押しのける際の風切り音、タイヤが道路を転がる音など、様々だ。

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途中から、自動運転技術を使った運転支援システム、プロパイロットも使ってみた。通常のクルーズコントロールと同じで、ハンドルにあるメインスイッチを入れ、自分の走りたい速度でセットするだけ。同一車線を走る限り、先行車の速度に合わせて加減速が自動で行われ、車線からはみ出しそうになるとステアリングに修正が働く。快適で静かな乗り心地は、長距離運転の疲れを軽減するのにとても役立った。

休憩を兼ね、SAで1回目の充電

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御殿場の山越えを経て新東名のサービスエリア、NEOPASA駿河湾沼津に到着。横浜での市街地走行と合わせて109.4km。横浜町田インターチェンジで東名高速に乗ってからここまでにも海老名SA、中井PA、足柄SAと、急速充電器が3ヵ所あり、ここで4ヵ所目だ。バッテリー残量は54%とまだ余裕あるが、1回目の充電を行うことにした。

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ボンネット先端にある充電口のフタを開け、急速充電プラグをソケットに差し込む。後はタッチパネルの表示に従い急速充電器に認証カードをかざし、スタート。時間はここをはじめ30分制限が一般的で、充電が終わると自動で停止する。

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遠乗りにおいて、30分という時間は休息を取るのにはなかなかいい長さである。家族や友達と楽しくドライブしているときは、コーヒーを飲んで談笑したりお店を見物している間に充電が終了するという感じだ。終了に近づくとスマホにお知らせが来るので、クルマから離れていても安心だ。

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充電の途中、他の新型「リーフ」が充電にやってきた。航続距離が伸び、利便性が向上したことで、それまでEV所有をためらっていた顧客が購入に踏み切るケースが増えているという。聞くと、EVで遠乗りをしてみようと親子でドライブしている最中とのこと。運転していた若い女性は、その新型リーフが最初のマイカー。今後、ミレニアル世代においてはこのようにEVしか知らないという人も次第に増えていくことだろう。

雑談をしている間に30分の充電完了。バッテリー残量は94%まで回復。余裕たっぷりだ。
雑談をしている間に30分の充電完了。バッテリー残量は94%まで回復。余裕たっぷりだ。
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郊外の一般道でも目を引くEV充電スタンド

新清水インターチェンジで新東名から降りた。富士川に沿って静岡と山梨を結ぶ国道52号線は交通量が少なく、身延山を始めあちこちに景勝地のある素敵なルート。近頃は大都会だけでなく、山深いルートでも充電スポットは増設傾向だ。国道52号沿線にある森の中のゴルフ場、富嶽カントリークラブには急速充電器が設置されていた。充電スポットには青地に白の看板が設置され、ここだとわかるようになっている。急速充電器の場合は「QUICK CHARGE」の表示がある。

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今回は昼間中心のドライブだったが、夜間の田舎道など、日産系販売店や道の駅でこの看板を見かけると、ほっとした気分になるものだ。山口~島根~鳥取を結ぶ山陰ルートなど、場所によっては夜間営業のガソリンスタンドより急速充電スポットのほうが充実しているケースもある。また、国道52号沿線には普通充電器も設置されており、ハイキングなど長時間クルマを離れるときにはそれも有用だろう。

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国道52号を進むと、沿線有数の観光地、身延山に着く。JR身延駅周辺は街並みが綺麗に整備され、またとても静かだ。小休止を取りがてら、急速充電スポットを検索してみた。充電スポット探しは「リーフ」に装備されているカーナビを使うのが最も一般的である。

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今回試したのはスマホを使った検索。EV情報サイトの大手、GoGoEVの提供する充電スポット検索アプリを使ってみた。充電器の場所、種別、営業時間などの基本情報だけでなく、急速充電器のスペック(実は急速充電器でもモノによって充電スピードが違う)など実用的な情報もわかるようになっていて便利だ。

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画面を見ると、急速充電のマークは大きく、普通充電は小さなアイコンで表示される。検索を進めると、身延駅から20kmほどの道のりのところにある温泉施設「六郷の里 つむぎの湯・いきいきセンター」というところに急速充電器があった。24時間ではないが、事前連絡は不要で、しかも無料。そこを次の目的地とした。

2回目の充電は、日帰り温泉の無料スタンド

国道52号線や沿線の森のワインディングロードで運転を楽しんでいるうちに、急速充電器のあるつむぎの湯に着いた。山間の静かな集落にある、実に気持ちの良い温泉施設である。こんなところにも充電器がある。

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日本の充電器の大半は自動車メーカーが共同で運営するNCS(日本充電サービス)という組織のネットワークに入っているが、つむぎの湯の充電器は独立系。

日産がEVの顧客に提供しているサービス「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム(ZESP)2」は1ヵ月税込み2,160円の定額で日産系ディーラーや提携する充電器など、全国5,000ヵ所以上の急速充電器を使い放題。先のNEOPASA駿河湾沼津ではそのサービスを使っていたのだが、ここは施設のフロントに届け出れば誰でも無料で使える。ただし、24時間ではない充電スポットもあるので、注意が必要だ。

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ちなみに全国の充電事情だが、ここ3年ほどで利便性は劇的に改善した。ディーラーの多くは街道沿いにあるため、ドライブしながら気軽に立ち寄れる。道の駅、コンビニでも急速充電器の設置が増えているが、これらの大半は24時間充電OKであるため、夜のドライブも安心だ。30分充電によって、バッテリー残量は58%から93%に回復した。

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コンビニにも設置が広がる急速充電器

つむぎの湯を出て、横浜への帰路に着く。甲府南インターチェンジで中央道に乗ることにしたのだが、長距離走行になるため、そのすぐ手前にあるファミリーマートで"念のため充電"を行った。

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充電開始時の残量は84%で、30分間の充電を終えたときにはほぼ満充電である99%まで回復。もっとも、これはEVではちょっとイレギュラーな使い方。EVに使われているリチウムイオン電池は、満充電に近くなると急激に充電可能な速度が遅くなるという特性を持っている。ここの充電器にはどのくらいの電力をチャージできたか表示する機能があったが、この30分で入った量は5.8kWh。1kWhあたり7km走れるとして、距離にして約40km分に過ぎない。

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もちろん、電池残量が少ない場合はもっと多くの量が充電されるので、コンビニの存在意義は大きい。郊外のコンビニの場合、イートインコーナーが併設されているケースも多い。

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「リーフ」は充電中、走ることは出来ないが充電器から供給される電力の一部を使って電装品を動かすことができる。エアコンを効かせた室内でカーナビのテレビを見たり音楽を聴いたり、はたまた読書などをして過ごすことができる。

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交通量の増えてくる時間帯にも有効なプロパイロット

日中の雨が上がり、夕日の残照で朱に染まる中央道をひた走った。中央道はアップダウンが結構きついのだが、「リーフ」でのクルーズにストレスはない。電気モーターの出力が初代モデルの80kWから110kWへと大幅増強されたが、その効果はてきめんで、登り坂で低速車が前にいなくなって再加速するときも、スロットルを深めに踏み込むだけで羽のように軽々とスピードが上がる。

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日本の高速道路では2車線を大型車がふさいでしまうようなことも多々発生するが、運転支援システムのプロパイロットはここでも有効に機能した。前にクルマが割り込んできても、短い警報音を発しながらちゃんと減速し、周囲の交通と速度を同調させてくれる。

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長旅で気をつけるべきポイントのひとつに、自分で気づかない疲れの蓄積がある。単にクルマを半自動で走らせるだけでなく、適宜アラートを発するプロパイロットは、そういうときの安全性を高めるのにとても良いデバイスだと思われた。

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新型日産リーフは、「EVは街乗り用」というイメージを覆す

ゴール地点の横浜に帰着したのはすっかり夜。総走行距離は380.1km。電池残量は23%であった。オンボード上の平均電費は6.9km/1kwhで、計算上の使用電力は55.1kWh。ガソリンは1次エネルギー、電気は2次エネルギーという違いがあるので同じ基準では比べられないのだが、純粋に熱量換算した場合、ガソリン5.75リットル分のエネルギーで走りきったことになる。燃費でいえば実に66.1km/リットル相当だ。再生可能エネルギーでその全てをまかなうのであれば、限りなくゼロエミッション。天然ガス火力発電100%であっても、送電や充電のロスを含めてもなお30km/リットルは優に超えるだろう。

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EVが向く用途はさまざまだが、たとえば普段はお買い物や近場のお出かけに使いつつ、休日には遠乗りをし、自然や名勝、史跡をじっくり楽しむ旅をしたいというアクティブなライフスタイルを好む層には特にぴったりだ。実際、日産は、前述の通り料金定額制のZESP2について"旅ホーダイ"を謳っている。そういう楽しみの提供もEVの特質のひとつになり得るということを作り手側も意識しているのだろう。今回の1Dayドライブでは、正にそれを仮想体験することとなった。

静かで乗り心地が良く、経済性も高いクルマで自由気ままに旅をするのがどれだけエキサイティングか、多くの人に是非体験して欲しいというのが率直な思いであった。

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