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2017年12月31日 15時13分 JST | 更新 2017年12月31日 15時13分 JST

エネルギー版エンゲル係数が上昇~原油高に圧迫される地方の家計:基礎研レター

家計のエネルギー負担がじわりと増大している。

1――家計のエネルギー代負担が増大

1|ガソリン価格は2年5カ月ぶりの高値に

家計のエネルギー負担がじわりと増大している。12月25日時点のレギュラーガソリン店頭価格(全国平均)は1リットルあたり141.7円、灯油店頭価格(同)は1リットルあたり84.4円とそれぞれ約2年5カ月ぶりの高値まで上昇している(図表1)。

前年同時期と比べた場合、ガソリンは11.4円、灯油は8.3円高い水準にある。

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この背景には何より原油価格の上昇がある。国際原油価格(ドバイ原油)は2016年年初に一時1バレル30ドルを割り込んだ後、世界経済の回復や主要産油国の減産による需給改善などを受けて持ち直した。今年秋以降には一段と上昇したことで、直近では60ドルを突破している(図表2)。

また、昨年終盤以降、為替が円安方向へシフトしたことが原油の円建て輸入価格押し上げに働き、ガソリンや灯油など石油製品への価格転嫁を促すことになった。

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2|エネルギー版エンゲル係数は上昇

この結果、家計のエネルギー代負担は増大しつつある。家計調査をもとに、エネルギー代(電気代、ガス代、灯油代、ガソリン代の合計)の消費支出に占める割合を「エネルギー版エンゲル係数」として計算すると、直近2017年11月の値は7.1%となった(図表3)。

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エネルギー版エンゲル係数には大きな季節性がある。冬場は暖房需要によって電気代、ガス代、灯油代が増加するため、1月から2月に大きく上昇した後、夏場にかけて低下していくという季節性だ。

従って、前年同月との比較が意味を持つわけだが、今年11月の値は2016年11月(6.4%)ならびに2015年11月(6.8%)の値を上回り、3年ぶりの高水準となっている。気温が低めであった影響もあるが、エネルギー価格上昇の影響が大きい。

12月の家計調査は未公表だが、ガソリン、灯油ともに11月から12月にかけて店頭価格がさらに上昇しているため、12月のエネルギー版エンゲル係数の値も近年の水準を上回っていると見込まれる。

また、今後もエネルギー負担の高止まりが続きそうだ。世界経済の回復が続く一方で主要産油国の減産が継続されるため、国際原油価格が大きく下落することは想定しづらい。さらに、米国経済の回復に伴って為替が円安ドル高方向に進むことも、原油の円建て輸入価格押し上げに繋がる可能性が高い。

さらに電気代やガス代に原油価格が遅れて反映される点もエネルギー負担の高止まりを示唆している。電力代やガス代は、原油価格や原油価格と連動するLNG(液化天然ガス)価格の影響を強く受けるが、反映までに4~9カ月ほどのタイムラグがある。

つまり、今年秋以降の原油価格上昇分はまだ電気代・ガス代に反映されておらず、来年に価格押し上げ効果が出てくるということだ。

2――エネルギー代負担は特に地方の家計を圧迫

以上のとおり、足元で既に家計のエネルギー負担は増大しており、今後も軽減が見込みづらい状況にあるが、負担の度合いは地域によって大きく異なる。

地域別のエネルギー版エンゲル係数(2016年平均)を計算すると、関東(6.5%)、近畿(6.8%)が7%を下回る一方、北海道(9.6%)、東北(9.4%)は10%に迫る。また、北陸(8.2%)もこれに続く。

鉄路の充実している大都市圏とは異なり、地方では自家用車に乗る機会が多いため、ガソリン代がかさむ。また、冬の気温が低い地域では、灯油代などの暖房費が高くなる。北海道、東北、北陸については、この2つの要素が揃っているため、もともとエネルギー代負担が大きく、原油高や円安による負の影響を受けやすい。

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このように、地域によってエネルギー代負担に濃淡が発生することは、日本経済とりわけ各地域の景気動向を考えるうえで、押さえておくべきポイントになる。

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(2017年12月28日「基礎研レター」より転載)


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