一生取り返すことのできない後悔を原動力に 〜拡張し続ける「医療福祉エンターテインメント」10年の軌跡〜

丸10年支え続けてきてくれた感謝をこの文章に乗せて伝えたいと思います。
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みなさんこんにちは、NPO法人Ubdobeの岡です。

こういう記事を自分で書くのはどうなんだろうと思いつつ、創立10周年なので主観で10年分書きまくろうと思います。

そもそも、「医療福祉エンターテインメント」なんていうキャッチを掲げているNPO法人Ubdobeってなに?そもそもなんて読むんだ?って人のために概要をば。

ウブドべ って読みます! ウー ブー ドー ベー。

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2008年 創立(任意団体)

2010年 NPO法人設立

なので、今年は創立10周年でNPO設立8周年です。

今はざっくりと5つの事業部があり、それぞれ社員やバイトやインターンがおります!

1. イベント事業部:医療福祉の情報やユニバーサルな概念を発信するための企画制作

2. ローカル事業部:過疎地域と呼ばれる地域の医療福祉従事者増幅と内部活性化事業

3. デジリハ事業部:デジタルアートを活用したリハビリテーションシステムの開発

4. ショップ事業部:ユニバーサルデザインの商品や福祉作業所で作られたグッズの販売

5. メディア事業部:医療福祉のカジュアル化を目的としたウェブマガジン

そして事業を支える理事会と本部事務局、士業チーム(社労士・行政書士・税理士・弁護士)という体制で運営しております。

具体的な事業の説明に入る前に、ウブドべがどのように始まったのかからお話したいと思います。

一言で言うと、ノリです。

ノリでしかありません。

そして今もほぼノリでやっています。

2008年よりさらに遡って、2002年。

僕は当時「ウブドべ共和国」なるバンドというかパーティ集団みたいなのをやっていました。

民族楽器奏者を中心にダンサーや映像家やフォトグラファーや画家など色々な人が所属しており、日々街中や駅前や公園や森や川や海やカフェやバーやクラブでイベントやセッションを繰り返していました。僕もディジュリドゥという楽器を吹いていたのですが、まー簡単に言うとヒッピー集団です。

メンバーも100人を超え、イベントにも人が集まり始めた絶頂期には毎日毎日外に出て朝方帰るような生活をしていました。本当に楽しかった。いつも酔ってたりして、好きな楽器を吹いて、DJをやって、勉強とかせずに適当に暮らしていました。

そんなある日、家に帰ると母親が置き手紙を置いて消えていました。

「体調が悪いので入院します。お見舞いには来ないでね。」

ここからが僕の後悔人生の始まり始まりです。

遊び呆けていたらいつの間にか親が入院。しかも僕や兄妹や親父を含む家族には言わずに2年もの間、母はたった一人で闘病していたのです。そして入院から半年でなくなってしまいました。胃がんでした。

僕はと言えば、毎日毎日ただ自分の快楽だけのために生き、家族や親なんて一生あるものだと勘違いして生きていました。

分からないよね、大切なものを失うまでは。

ってよく言うじゃないですか?でもマジで物凄いレベルの後悔がずーっと永遠に続くことになるんですよね。

それってどうやったら防げるんだろう?病気とか障がいとか医療とか福祉とか介護とかそういうものって、いざ目の前に現れないと全く興味を持たないし、何か大切な情報があっても小難しく分かりにくくて避けてしまう。

そうやって避けて避けて避け続けた結果が、一生取り返すことができない後悔となって押し寄せてくる。何度でも。

ここを変えないとだ!自分のためにも。医療福祉がもっと身近になり、家族や恋人や友人同士でカジュアルに話せるような文化を作らないと!医療福祉の仕事に従事する人たちの存在をもっと発信しないと!障がいや病気と共に生きる人たちとそのご家族に社会参加のきっかけを知ってもらわないと!色々変えないと!自分のためにも。

そんなことを感じながら、僕は大学生からサラリーマンになり、3年で辞めて音楽療法の専門学校に入り、そこから訪問介護や障害児者の移動支援の仕事をはじめました。

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これがねー、めちゃめちゃ楽しかったんですよ。言葉で言い表せないくらいに毎日感動があって、なんじゃこりゃ!こんな楽しい仕事があったんや!というテンションで周りの人にも伝えていきました。

そのタイミングで知り合った当時20歳の女子がおりまして。Tさんです。

意気投合し、一緒にイベントを企画しよう!ということになりまして。

障がい児施設や特別支援学校に通う子どもたちと、小学校に通う子どもたちを招いて音楽とアートにまみれながらいつの間にかコミュニケートするというようなコンセプトで企画しました。

その名もKodomo Music & Art Festival 2008!タイトルそのままやん!

このイベントがきっかけとなり、翌年のKodomo Music & Art Festival 2009では代々木公園の野外ステージを貸し切り、曽我部恵一バンドやShing02などの錚々たる出演陣にご協力いただきながら徐々にイベント団体として成長していきました。

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2010年にはおそらく日本初となる医療福祉系クラブイベントSOCiAL FUNK!なる企画を発動。Shibuya Club AsiaからSOUND MUSEUM VISIONに会場を移し、今では500人を超える来場者が集まるようなイベントになりました。がん・臓器移植・認知症・障がいなどテーマを変えながらほぼ毎年開催しております。

その後2010年11月にNPO法人化。僕は代表理事になりました。

もちろんい良いことばかりではありません。

2011年に開催したKodomo Music & Art Festival 2011が大雨の影響で中止になり、保険にも加入することなく無謀な運営をしていたツケが大赤字となって跳ね返ってきました。

約1000万円の大赤字。

どうしようどうしようと、のたうち回り、家族にも相談し、設立二年目にして法人解散や自己破産の危機に遭いながらも、音響・舞台監督・デコレーション・運営スタッフ・理事・出演陣の多大なるご協力によりなんとか解散を免れました。この時にご協力いただいた方々のご恩は一生忘れることはありません。

さてどうやってこの大赤字を返済していこうか?と考えました。

「金を稼ぐしかない」が僕の答えでした。

2002年頃のヒッピー時代から今まで培ったイベント制作のノウハウとイベントに付随するデザインプロデュースのポイントはおさえてあった。

よし、このノウハウを売ろう。イベントとデザインのプロデュース事業を展開しようと思い立ち、そこから約3年かけて日本全国47都道府県全てを周り、県庁や社会福祉協議会や医療福祉系の企業を回って鬼のようなプレゼン生活を送りました。動けば動くほど、全国に仲間が増えて行く。東京だけでなく各地に支部を設立して周りました。

その甲斐あってか、徐々に全国からプロデュースのお仕事を頂戴することができ、今でも引き続き増え続けているような状態です。

3年ほど前からこのプロデュース事業で貯めた知見をさらに普遍化するために企画のパッケージ化を推進しました。

それが医療福祉系シミュレーションゲームTHE Six SENSEと、医療福祉系謎解きイベントMystic Mindsです。

今では小学生が夏休みの自由研究の題材に取り扱うほどにまでなってきました。THE Six SENSEは小学生くらいの頃から医療福祉従事者の仕事や技術や知識を身近に感じてもらうための取り組みで、Mystic Mindsは自分が住む街の医療福祉拠点ってどこにどのように存在しているのか?をゲームを通じて知っていくものです。最近ではららぽーとなどの商業施設とのコラボレーションも実施しておりまっす。

さらには、より実験的な発信をしたいとファッションブランドtategamiと立ち上げたダンスカンパニーTHE UNIVERSEも展開し始め、六本木ミッドタウンや渋谷ヒカリエでの公演を成功させました。このプロジェクトに参画しているあらゆる特性を持ったダンサーやコレオグラファー、VJや照明アーティストと共に2019年には東京の街を使った新たな企画を仕込んでいる最中です。

そして今、一番忙しく動き回っているツートップはローカル事業とデジリハ事業。

過疎地域と呼ばれる地域を都市部の医療福祉従事者へブランディングして移住を促進するというちょっと変わった事業。離島や山間部の医療福祉の内部活性化も同時に行っているプロジェクトです。島根県海士町から始まったこの事業も今や徳島県三好市・沖縄県の離島群・東北地域にまで拡大してきました。

からの、デジリハ。デジタルアートとリハビリテーションというこれまた楽しそうなやーつね!毎日毎日病院や施設や自宅でリハビリを頑張っているキッズが日本だけでも25万人以上おります。世界中のキッズを合わせると大変なことに!このキッズ達のリハビリを今まで以上に楽しくできるようにしよう!ということでセンサーやデジタルアートを活用したリハビリシステムの開発を行っています。さらに、デジリハアプリの開発にはキッズプログラマーが関わっており、出会うことのなかったキッズ同士がコラボレーションを巻き起こしていくというコンセプトも内包されています。監修をするのは作業療法士、理学療法士、言語聴覚士などのリハビリ職からプログラマー・玩具デザイナー・ミュージシャン・イラストレーターなど多岐に渡る職種の大人たちがプロジェクトを支えます。デジリハは2017年度の日本財団ソーシャルイノベーションプログラムで約300社の中から優秀賞をいただき、1.5億円の調達にも成功してプロジェクトの推進力が大きく変わったことが最大の特徴です。先は長いですが、ひたすらにクリエイションを繰り返すのみです。

最後に、これから育てて行きたいツートップ事業をご紹介。メディア事業とショップ事業です。

ウブマグというウェブマガジンを立ち上げ、連載やインタビューを掲載し始めたのですが、これがなかなか難しい!というか時間がかかる。一本の記事のネタ探しからリサーチからインタビューから書き起こしから撮影から編集から誤字脱字チェックからサーバーへのアップロードまでかなりのセンスと労力を使う。まー、労力使っているのはうちの優秀なスタッフちゃんなので僕はいいのですが、とにかく大変そう!誰か手伝ってくれないかなー。発信したいことは山ほどあるねん!ラジオもやりたいしYOUTUBE番組もやりたいねん!ウェブだけでなくリアルな冊子も作りたいねん!なんとかなりまへんかー!

そしてもう一発なかなかむずいのがショップね!HALUというのを運営しております。小売業!これ超大変!売れる商品探しのリサーチから仕入れ交渉からウェブ掲載や商品陳列、そして接客!大変すぎてここ半年はウェブショップに移行して体制を整えているところです。けどね、あるんすよ。いいのが、いっぱい、あるんすよ。これはぜひウェブショップを見てみてほしい。そして「うちの商品扱えやぁ!」とか「事業用に大量に購入するで!」という気前のいい方々を待ちわびておりまする。

随分長くなっちゃったね。時系列に書くのもいいと思ったんだけど、事業別に書いた方が読んでいる人にはわかりやすいかな?と思ってこんな感じで整理してみましたがいかがでしたでしょうか?

これから取り組みたい事業もまだまだあります!もちろん、今までやってきた事業・そして消えていった事業もありますが、形を変えながらも挑戦はずっと続いていきます。

一生続く後悔から始まった事業。自分の後悔は自分でなんとかするしかない!ネガティブをポジティブに変えれるのは常に自分自身。何かに対して腹を立てて文句を言っているだけじゃ何も変わらない!

JUST DO ITとはよく言ったもんだ!CHANGEとはよく言ったもんだ!

2018年、Ubdobe(ウブドべ)は創立10周年とNPO法人設立8周年を迎える。

2008年に一緒に団体を始めた当時20歳のTさんは今年で団体を辞める。

丸10年支え続けてきてくれた感謝をこの文章に乗せて伝えたいと思います。

本当にありがとう。

最後まで読んでくれた方々、本当にありがとうございます。

10年経ちましたが、これからの10年にワクワクしっぱなしです。

引き続き、応援よろしくお願いします!!!!

そして、

2018年11月11日(日)には渋谷のSOUND MUSEUM VISIONにて!!

創立10周年パーティを開催します!!

さらにはこのパーティに向けてCAMPFIREで様々な特典付きのチケットを売り出し始めました!

これまでの10年とこれからの10年が交差する瞬間を、みなさん目撃しに来てください!

会場で会いましょう!!

では、またねー!!!!

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