4時間かける「究極の炊き込みごはん」~刺身用ボタンエビとホタテを贅沢使い~

最近の料理トレンドといえば時短と簡単。だが、時間と手間をかけてこそ到達する究極の味がある。

最近の料理トレンドといえば時短と簡単。だが、時間と手間をかけてこそ到達する究極の味がある。何てことない定番料理が「ここまで美味しくなるのか!」と驚くことだろう。今回は、夫婦で作りたい「ご馳走メニュー」をお届けしよう。

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『究極の炊き込みごはん』

お刺身でも食べられる冷凍のボタンエビとホタテを食塩水につけ、冷蔵庫で3時間かけて解凍。 エビの殻と干し貝柱や干しシイタケから、じっくりと旨みを引き出した「だし」で炊き上げる炊き込みごはんは、主役級の一杯。 丸ごと使うエビとホタテはプリっとした食感で、ビールが進む究極の"おつまみ"炊き込みごはんだ。

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■材料(4人分)

<炊き込みごはん>

米......3合

ボタンエビ......500g

ホタテ......350g

シメジ......¼パック

ミツバ......適量

ユズ(皮すりおろし)......½〜1個分

卵白......1個分

2%の食塩水......500ml

3%の食塩水......300ml

エビ殻と干し貝柱の出汁......620ml

塩......小さじ¼

薄口醤油......大さじ1

日本酒......大さじ1

<エビだし>

水......800ml

干し貝柱......3個

干しシイタケ......1個

エビの頭と殻

■作り方

①食材を解凍する3時間

ボタンエビとホタテは3%の食塩水300mlに漬け冷蔵庫で解凍する。

※冷凍エビを海水と同程度の塩分濃度の塩水に漬けてゆっくり解凍することで、旨味を逃がすことなく、プリプリの状態を保つことができる。

②干し食材を戻してだしをとる30分

干し貝柱と干しシイタケを鍋に入れて水を注ぎ、30分おいておく。米を洗ってザルに上げ、30分おいておく。

③エビを下ごしらえする20分

解凍したエビの頭を取って皮をむき、背ワタを取り除く。頭と殻は捨てないで取っておく。エビに片栗粉を振りかけて揉み、3%の食塩水で洗う。

その後、日本酒をふりかけ、卵白で揉む。エビと2%の食塩水500mlを鍋に入れ、ごく弱火にかける。温度が65℃ぐらいになったら火を止め、そのまま5分程度置き、取り出して水気を拭き取る。

※片栗粉、塩水、日本酒によって臭みを抜き、卵白で揉むことでさらにプリッとさせる。

④エビのだしをとる40分

エビの頭と殻をよく洗い、水気を切って鍋に入れ、弱めの中火にかけ、香ばしい香りがするまで乾煎りする。焦がさないように注意。それを2に入れ、弱火にかける。適宜アクを取り、沸騰直前に火を止めて10分ほどそのままおいてから漉す。

⑤ごはんを炊く20分

米を土鍋やホーロー鍋などに入れ、エビ殻と干し貝柱とシイタケのだし、薄口醤油、日本酒を加え、中火にかける。鍋が沸騰したら弱火にし、さらに10分加熱する。

⑥ホタテ・シメジに火を通す15分

ホタテは白く硬い部分を取り除く。

フライパンを中火で加熱する。フライパンが熱くなったらホタテに小さじ¼の塩をまぶして入れ、片面に焼き色がついたら取り出す(サラダ油は引かない。片面のみ焼き色をつけて取り出す)。

シメジは手でばらばらに裂いてざるに入れ、熱湯を注ぎかけてアクを取る。

⑦食材を散らす15分

ごはんの鍋のフタを開け、③のエビ、⑥のホタテ、シメジを散らし、すぐにフタをして10分蒸らす。蒸らし終わったら刻んだミツバと、おろしたユズの皮を散らす。

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夫婦で食べたい「究極の炊き込みごはん」

お刺身で食べられる食材を、さらに手間暇をかけて、美味しさを極限まで引き出したこの炊き込みごはんは、家庭だからこそできる贅沢の極み。

こんなリッチなごはんは、パートナーのコンセンサスを得ないとなかなか難しい。夫婦の記念日のスペシャルメニューとして提案してはいかがだろう。

ビールと楽しむのはもちろん、飲んだ後の〆にかつおだしをかけて、お茶漬け風にしても楽しめる、大人のための炊き込みごはんだ。

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土屋敦┃Atsushi Tsuchiya

All About「男の料理」ガイド。本当においしい料理のレシピや調理法を伝える料理研究家として、雑誌、テレビ等多方面で活動中。最近の著書には『男のハンバーグ道』『男のパスタ道』『家飲みを極める』がある。

~長時間レシピシリーズ~

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