生理中も安心して通える中学校に

ルワンダに住む少女によると、生理用品は貧しくて買えず、その代わり学校には生理用品が少し置いてあるそうです。でも、なんと先生が管理しているという...

中央アフリカに位置するルワンダでは、1994年の大虐殺によって国民の10人に1人、少なくとも80万人もの命が奪われました。現在の人口の約75%が30歳以下と若く、人口の約90%が農業に従事するなかで、政府は人間こそが国の資源であるとして、人材育成に注力しています。

ところが、女の子と男の子で比較すると中学校の就学率では両者にあまり差がないものの、進級できずに同じ学年を繰り返す割合や中途退学の割合となると女の子の方が男の子より多くなっているなどジェンダーの格差が見られます。 また、ジェンダー・家族推進省は女の子や女性への暴力を国の最も深刻な問題と提起しており、日常において女の子や女性が安全で充実した生活を送れるような社会づくりへの支援が求められています。

プラン・インターナショナルは、毎年10月11日の国際ガールズ・デーにあわせて、ルワンダの女子中学生レベッカとフランソワーズの2名を日本に招くなど、ルワンダでの女の子の支援を呼びかけています。彼女たちは日記ブログGirl's Diaryで、女の子の目からみたルワンダの現状、女の子の日々の生活の様子を綴っています。

「国際ガールズデー2016特設サイト」に掲載中の「Girl's Dairy from ルワンダ」より

こんにちは、レベッカです。外国に行ったことはないけど、ルワンダが大好きです。とても美しくて平和な国だから。

でも、大きな問題があります。

それは、女の人にとってあまり安全ではないこと......。

男の人たちの間では、「暴力をふるうのは男らしいことだ」と考えている人が多く、ルワンダの女の人の半数以上が男の人からの暴力に遭ったことがあるといわれています。

レベッカ(手前)の授業風景

私は、その原因は女の人が男の人と平等として見られていないからだと思います。

私の学校でも、嫌なことがあります。トイレが男女に別れていないから、私も周りに男の人がいるときにトイレを使うのはイヤな感じがします。なかには、女の子だからという理由で学校を辞めさせられて農作業を手伝うことになったり、性に関する知識が不足しているために妊娠して退学させられたりする女の子たちもいます。

学校のトイレは男女共用

女の人の権利が守られていないというのは、女の子たちの生理用品の取り扱いからも感じます。私たちにとって、生理用品は貴重品です。

私たちの地域は貧しくて、学校に通っている女の子たちの家庭で生理用品を買える人はいません。学校には生理用品が少し置いてありますが、先生が管理していて、手に入れることを考えるだけでも気が重くなります。

どうしてかというと、男の先生に自分が生理期間中であることを知られたくないことや、普段から恐い先生で話しづらいと感じているせいだったり......。そもそも親とさえ生理や性の話をするものではない、と教えられている理由もあると思います。

生理用品が先生の顔色をうかがったりせずにいつでも自分が必要なときに手に入れることができたら、どんなに学校が居心地よくなるでしょう!それから、悩み事を相談したり、目標にできるような話のわかる女性の先生がもっといてくれたらと、心から思います。

フランソワーズの学校では、先生に無断で生理用品を手に入れたクラスメートが叱られて、罰として家に帰されたという話を聞きました。あまりに気をつかうために生理期間中に学校に行くのが嫌になって、それがきっかけで学校から遠ざかってしまう女の子も少なくありません。

私たちにとっては大きな問題です。

私もフランソワーズも、生理用品がないために学校を何日か休まないといけないことがありました。その理由は、学校にいる間に生理で服を汚したりしたら、男の子の笑いものになってしまうから。

日本の女の子は生理の時、どんな風にすごしますか?

レベッカの通学風景

日本から、「生理中でも安心して通える学校に 女の子に『ガールズ・キット』を贈ろう!」プロジェクトが私たちの学校や地域にやってくると聞いて本当に嬉しいです。女の子には生理のことなど男の子にはない悩みがあって、女の子や女性に対する差別的な問題にどう向き合えばいいのか教えてほしいです。

女の子が安心して女の子でいられる社会であってほしいと思っています。学校での生理用品の入手は、女の子がもっている権利のひとつと教わり、そのとおりだと思いました。女の子や女性の権利が尊重される社会で自由にすごしたいです。

フランソワーズの学校の給水所

掃除はクラスメートと一緒に

女の子への教育をさまたげるもの

学校に通うことのできない女の子の数は、6200万人*ともいわれており、女の子が学校での教育を受けるうえでのさまざまな障壁が指摘されています。貧しい家庭にとっての制服代や教科書代の負担、「女の子は将来、嫁ぎ先で家事や育児をするだけだから」といった女の子への教育への無理解、家事労働が優先されて学校に行けなくなる女の子の役割分担、早すぎる結婚・妊娠、学校が遠く通学路の安全が守られていないこと、そして、レベッカとフランソワーズが日記で体験を語っているように生理用品の不足や配慮の欠如など、学校環境が全体的に女の子への配慮が不十分で、安全ではないこと、心を開ける女性の先生が少ないことなどさまざまな原因が絡み合っています。

*出展:The UNESCO Institute of Statistics and the Global Monitoring Report (GMR) jointly released the global and regional OOSC figures in June, in the GMR's Policy Paper No.14. Please see:http://unesdoc.unesco.org/images/0022/002281/228184e.pdf.

フランソワーズ(右から3番目)の授業風景

ルワンダ 生理中も安心して通える中学校に 女の子に「ガールズ・キット」を贈ろう!

ルワンダの女の子が生理中も安心して通える中学校をつくるために支援プロジェクトを行っています。詳しくはこちらをご覧ください。

https://www.plan-international.jp/girl/idg2016/

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