私らしい仕事と子育ての両立の模索、5カ月後の変化
2016年4月の職場復帰から早5か月。
出産前から子連れ出勤を考えており、会社も受け入れてくれたので、今まで子連れ出勤をメインに行ってきました。今まで比較的おとなしくしていた娘も8カ月になり、大きな声を出すようになり、あちこち動きたい盛り。
子連れ出勤は、私自身としては子供を側で見られるこの上ない選択でしたが、少なからず娘の動きや声に対して会社のメンバーにも迷惑がかかり、動きたい娘を抱っこひもやバウンサーの動きがとりにくい状態に置き続けるのは娘本人にも望ましくないと思い、9月からシッターさんに定期的に見てもらうことにしました。
LAXICでも先日、保活に関するイベントを開催しましたが、私自身も来年の保育園入園を考えており、住んでいる区の情報を調べたり、認可園の一時保育を利用したり、自宅・会社近くの認証保育園の見学に行きました。しかし、そこで待機児童数の多さや保育士の人手不足など、聞きしに勝る厳しい現状を見ることとなり、固定の預け先は見つかっていません。
保育園に預けられないワーママと、行政の現状を目の当たりにして
保育園に入れない待機児童の問題は、今年とあるブログを発端に、改めて注目されています。私は、必ずしも「保育園に預けられない」から「仕事を続けられない」わけではない、やり方は他にもあるのではないかと考えています。ただ、私自身、保育園に預けず復職することができたのは、自分の会社だから、私が経営者だからできたという面も色濃くあると思います。
また、区議さん主催のイベントに行った際、ワーママたちの悲痛な現状を知って面喰らいました。イベントの参加者は、ほとんどが今年保育園に入れず、育休を延期した、もしくは仕事を辞める連絡を数か月以内に入れないといけないというワーママたちでした。区議さんからは、今年の申し込み状況や、来年開設予定の保育園の情報の他、対応が追い付いていない部分はイベントの参加者に対し、積極的に情報提供を求めていらっしゃいました。
そして、想像以上に子供の数、特に2人以上のお子さんがいる家庭が増えていること、兄弟姉妹が同じ園に入れないという状況の中で、第一子のママが希望園に入れるのは、更に厳しい現状であることが分かりました。
ちなみに、日本全体で昨年5年ぶりに出生数は増加しており、今年もその傾向が続いていること自体はとても喜ばしいことです。しかし、将来の日本を支える子供たちを育てているワーママが今の社会からおざなりにされているのです。この社会で未来の日本は成立するのか、いやそんなわけない。
このような熱い話を、自宅近くのママ友とイベント帰りに話をしていました。そのイベントで、空地の情報を欲していたので、一助になればと思い、後日そのママ友と自宅近くを1時間以上歩いて空地を探し、区議さんならびに区長宛にメールをしてみました。区議さんからは早々にお礼の連絡があり、後日保育課からも連絡をもらい、区側も精一杯対応していることはわかりました。
ただ、連絡した場所は交渉を既に行っていたがダメだったところや、広さが足りないところだったようで、空地があってもいろいろな事情が重なりすぐには解決しないのだという現実も、同時に痛感することになりました。
ママで経営者だからできる、保活に対する解決策
写真:マフィス馬事公苑の託児スペース(イメージとしてご覧下さい)
そんな現状を目の当たりにし、当事者かつ経営者だからこそできる企業の取り組みはないものかと6月頃から模索をしていた時、ワーママ・スマイル・プロジェクトのメンバーで、コワーキングスペース付き保育施設「Maffice」を運営するオクシイ(株)の高田さんから「企業主導型保育施設」の話をいただきました。
国からの助成金を活用して企業が主体的に運営していく「企業主導型保育施設」に関しては、弊社のパートナー企業さんが数年前から取り組みをしており、見学に行ったり運営に関する話を聞いたりして、以前、設置を検討したことがありました。しかし、当時は私自身が結婚・出産の予定がなく強い危機意識がなかったことと、資金面、運営面でも負担が大きく、見送りになった経緯がありました。
今年になって、認可園と同じ基準の補助が出るなど、要件が緩和されたことを知り調べ始めました。新宿三丁目にある今のオフィスでは規格外ということで、徒歩圏内の物件を探したものの、6月の一次締め切りには適切な物件が見つかりませんでした。その後、二次募集が出たため、8月末の申請締め切りに向けて物件を探していたら、今のオフィスの管理会社から紹介された物件で最適なものに出会うことができ、申請が完了しました。
「なぜ会社を巻き込んでまでやろうと思ったの?」「認可保育園に入る方が楽じゃない?」などの質問をいただくこともありますが、私にとってはごく自然な流れでした。私が当事者ということはもちろんですが、それ以上に、微力ではあっても社会が抱える解決すべき課題に対して、企業の経営者として何かしたいと思わずにはいられませんでした。
また、ノヴィータも社員の半分が女性です。子供がいるメンバーはまだ少ないですが、保育の受け入れ体制があることで、働き続けることができるという選択肢を今のうちから見せておきたいという強い思いもあります。
さらにLAXICで提唱している「時間や場所に関わらず成果に応じた報酬がもらえる働き方」の実現にもつながると強く思ったため、「事業所内保育」をやることに決めました。
新宿エリアの方々に向け、事業所内保育施設の説明会を開催します
事業所内保育施設の開設にあたり、他の企業や地域住民の方へ利用を開放するための説明会を2016年9月15日(木)13:30~に株式会社ノヴィータで開催予定です。新宿三丁目、新宿御苑、東新宿エリアにお住まいの方、もしくはお勤めの方がいらしたら、ぜひ説明会にご参加ください。15日に参加できない方についてもご相談いただければ、別途ご説明の機会を設けたいと考えております。
今回の事業所内保育施設は、一時保育も受け入れますが、基本的には企業利用と地域の方の定期利用で、合計10名の予定です。
オフィススペースも併設予定なので、復職希望で預ける保育園が見つかっていない方はもちろん、すでに職場復帰しているがリモートワークで子供の側で働きたい方や、育休中にキャリアアップのために子供を預けて勉強をしたい方など、様々な利用目的に対応できる施設を目指します。また、企業利用の会社に所属するワーママの潜在的なニーズを、この事業所内保育施設を利用いただくことで吸い上げることもできるのではないかと思っております。
補助金の申請結果は10月末に判明するのですが、開設に向けてやることは沢山あります。社員30人ほどの弊社の規模では、1社で事業所内保育施設を運営するのは大変ですが、同じような規模の企業でも、今当事者がいなくても近い将来出てくることは必然です。企業ができる解決策を提示し、最終的には「時間や場所に関わらず成果に応じた報酬がもらえる働き方」の実現に向け、まずは事業所内保育施設の開設に取り組んでいきます。
LAXICは、「ワーママを、楽しく」をキャッチフレーズに子育ても仕事も自分らしく楽しみたいワーママやワーパパ、彼らを取り巻く人々のための情報を集めたWEBメディアです。