公教育の枠を超えて...師が導けば、子どもは輝く!

公立中学校の部活動の問題提起をするきっかけとなったのは、民間クラブに所属する未来のアスリートの卵たる生徒が、部活動とクラブの狭間で苦しむ事例に遭遇したことです。

私が、公立中学校の部活動の問題提起をするきっかけとなったのは、民間クラブに所属する未来のアスリートの卵たる生徒が、部活動とクラブの狭間で苦しむ事例に遭遇したことです。

将来、国体やオリンピックに出ようとする子どもたちは、おしなべて幼年時代から特化してスポーツに取り組んでいます。中学校に進学しても当然それまでお世話になっていたプロの指導者のもとへ通うのは当たり前のことです。ところがこのあたり前のことが通じないのが公立中学校の部活だったりします。クラブや道場に通うため部活を休めば試合に出さない。実力の有無は関係ない、機会の平等を重視するという悪平等がそこに存在していることを、保護者や子ども達、民間クラブの指導者から寄せられた痛切な声で知るに至りました。そこで調査研究を重ね、議員としてできうる限りのことをしてきました。

民間クラブのコーチや監督らが、自分の教え子のみならず学校の部活動に参画して全ての子どもたちの指導をボランティアですると素晴らしい提言をしてくださっても、拒否をする学校、顧問、校長先生がいることもあわせて知るにいたり、さらには、子どもにとっては恫喝に近い「(クラブに行って)部活を休んだら試合に出さない」ということを明言、泣く泣くクラブやあるいは部活を辞める子どもがいるという恐ろしい実態にただただ驚愕をし、決して消えない憤怒の炎がメラメラと灯った次第です。(過去ブログ「部活にはいらない子どもの権利をGWに考えた」、「少年少女よ、学校から部活から逃げてもいいのだ!」ご参照)

部活問題になんでこんなに私がこだわるかというと、そもそも教育委員会制度は表面的に民主化しておいて、GHQを巧妙に欺いて官僚制を温存・拡大した「成功例」ではないかと危惧、懸念をしておりまして、その象徴を、軍国主義的なシゴキが残る部活に見るからであります。

皆さんご存知ないかもしれませんが、区市の教員は東京都の職員であります。そこで、私は当選後すぐに文書質問(平成25年第三回都議会定例会文書質問趣意書議事録←下〜の方にあり!)をしました。

お姐「2020年オリンピック・パラリンピック招致が決定し、未来のメダリストの育成は、東京都のみならず日本全体のスポーツ振興政策の中心をなしています。こうしたアスリートの卵たちは、専門的な指導を得るため民間のクラブチームなどで養成を受けている子どもが多いのが現状です。今後ますます、公立学校での部活動においても、民間のクラブチームと学校の部活動との連携が求められてくることが予想されます。こうした生徒には、公式試合に出場するとしないでは、大きく将来に影響を与えるものなのですが、ことに公立中学校において部活を民間クラブなどで休むと出場できないなどの問題が散見されています。部活動と民間クラブの連携により、部活動を振興することが望ましいと考えます。そこで、公立中学校部活動への、民間スポーツ機関指導者の活用について、所見をお示しください。

(お姐超訳:東京都あげて、オリパラに向けメダリスト養成!を掲げているんだから、よもや公教育現場において、スポーツのプロを学校から締め出して、悪平等を強いて未来のアスリートの夢をよもや潰してなかろうね?!)

教育委員会「部活動は、学校の教育活動の一環として計画・実施するものです。

民間スポーツクラブの指導者や地域の専門的指導者を、外部指導員として部活動に導入することは、部活動を活性化するための有効な手段の一つとなります。

このため、都教育委員会は、都内公立中学校の外部指導員導入費用の一部を補助する事業や、中学校体育連盟と連携し、外部の専門的指導者による強化練習会を実施してきました。

今後とも、学校が積極的に部活動に外部指導員を導入するよう、区市町村教育委員会に働きかけていきます。」

(お姐超訳:外部指導員導入を拒否をするものでもないし補助や強化練習もしてるんですけどね...。...区市町村教育委員会に促します!はい!)

お姐「部活動の顧問について、体罰により処分を受けた教職員が短期間に復帰する例が見られ、保護者から不安の声が寄せられています。部活動の顧問の選任は、各学校長により行われているのか、都教育委員会や区市町村教育委員会は体罰事案の再発の防止に向け、適正な選任のための指導や関与が必要であり、生徒や保護者のこのような不安を解消するための対応が必要ではないかと考えますが、所見をお示しください。」

(お姐超訳:アスリートを目指す子どもと保護者にとっては「試合に出さない」は致命的。圧倒的に弱い立場であるのに、体罰ガイドラインに抵触する子どもの人権を脅かす部活顧問の言動は絶対にあってはならじ。徹底指導を!!)

教育委員会「部活動指導は教員の本務であり、部活動の顧問は、校長が教職員に校務として分掌させることとなっています。

都教育委員会は、平成25年5月、部活動において体罰が発生した場合の校長の対応について、その基本的な考え方を都立学校長及び区市町村教育委員会に通知しました。

本通知では、顧問教諭による体罰が発生した場合、部活動の指導を禁止し、その後復帰させる場合には、校長が生徒・保護者の理解を得るとともに、加害顧問教諭の反省状況や生徒の心理状況等を総合的に判断し、指導するに当たっては複数指導体制を整えた上で部活動指導を許可することとしています。

さらに、部活動指導開始後は、校長等管理職が加害顧問教諭から定期的に指導状況の報告を求めるとともに、経過観察を行うこととしています。

今後とも、都立学校長及び区市町村教育委員会に対して、本通知の趣旨を徹底していきます。」

(お姐超訳:制度としては整っております。はい、校長に頑張らせます!!)

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その後もしつこく「体罰加害教員のアフターフォローについて」にも文書質問(平成26年第一回都議会定例会文書質問趣意書)で制度と取組を明らかにし言質をとり、それを当該学校に明示をし働きかけ、あしかけ5年の歳月を経る長期に渡る部活における子どもへの体罰ガイドライン抵触相談事例の解決に結びつけたのであります。5年の間の子どもたちとお母さん達の葛藤の日々を思うと本当に申し訳ない思いで一杯です。

子どもにとっては一生一度の中学校時代の部活がつらい、思い出したくないものとして心に残ることはあってはなりません。お陰様で区議会議員時代から取組み、都議会議員としても実績とノウハウ、経験値を積んだことからも今後も、すぐに動き対応をしてまいります。

このように、部活問題は得てしてやるせない思いをすることが多い中、朗報が届きました!

江戸川区葛西の礼武卓球道場に通う、子ども達です!

写真左から

櫻岡和 さくらおかやまと君 松江小3年

杉本和祇 すぎもとかずし君 4年(過去ブログにも登場!)

関口莉桜 せきぐちりおさん 4年

関口朋弥 せきぐちともや君 6年

おめでとうございます! 閉塞的な、「日本の部活」に風穴を開けて、本来の東京都が提唱する未来のメダルストを地域と民間力で育て支えていっていただきたいものですし、ぜひ、公立中学校の部活へのさらなる協力も頂戴したいところです。これから、幼稚園の選手を育成する一大プロジェクトに取り組まれるそうです。興味のある子ども、保護者の皆さん是非礼武卓球道場へ遊びに行ってみてください!

卓球道場代表指導者原田隆雅監督は、厳しいけれど愛情のある指導者です。(えどがわボイス動画あり

怒号と恫喝からではなく、「遊び」から始めるクラブですから、楽しい事間違いなし!

☆礼武卓球道場 チームお姐動画☆

礼武卓球道場はこんなところです♪

【江戸川区の特別支援学校都立鹿本学園の生徒の詩が入賞!】

昨日5月16日にスポーツフェスタに参加。肢体不自由、知的障がいの子ども達が通う都内最大級の鹿本学園は、その併設の取組が全国的に注目となっています。肢体不自由の児童生徒が一同に会するスケールメリットを実感できるのが運動会。様々な工夫が凝らされたプログラムは生き生きと働く先生方の努力の賜物です。本当に教員の皆さんが楽しそうに働いてます。田村康二朗校長先生の人事の妙でありましょう。

田村校長先生からもワクワクする朗報が! NHK「ハート展」に中学部吉川優斗君が「泣きわめく」という詩にて入賞したのです! 吉川くんの詩になんと、又吉直樹(ピース)<お笑い芸人>さんが作画をしてくれました。感動

ここで詩をご紹介いたします。

「泣きわめく」

泣きわめく

やらなければいけないことをやらないために

泣きわめく

家でおこられたことをはっさんするために

泣きわめく

学校でおこられたことをはっさんするために家で

自分が自由に歩けないために泣きわめくわけではない

詩を書いていたら

わかった

自分を見た

かっこわるい

「自分を見つめなおすためにこの詩を書きました。

実際にはまだ見つめなおした結果を生かせてません。

これからは生かすようにしたいと思います。まだまだかっこわるいです。」

又吉直樹さんより

「かっこわるい自分を直視することは、

なんと勇気があってかっこいいことだろうか

優斗くんのように誠実な花を描きたいと思った」

*****

原田監督と、田村校長先生は枠を超えて子どもを育てている勇気があってかっこいい指導者ですね。

かっこわるい自分も直視されているから、それができるのでしょう!

いい先生が子どもを輝かせる...当たり前なのになかなか実現しないとてもシンプルなこと。

それを実現できる指導者が江戸川区の公私の場にそれぞれ確実にいらして、このような誇らしい結果を子どもたちにもたらしてくれたことに、溜息つくことがおこりがちな教育とスポーツの現場に光を見るのでした。

(2015年5月17日「上田令子のお姐が行く!」より転載)

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