舛添知事に先んじて新国立競技場問題情報公開してみた

本日「新国立競技場「上限1550億円」など決定」と賑々しく報道されてますね。千億も下がるってもともとの価格ってなんだったの?!

本日「新国立競技場「上限1550億円」など決定」と賑々しく報道されてますね。千億も下がるってもともとの価格ってなんだったの?! 冷暖房カットで大丈夫?!なんて皆さんも思われたと思います。

我らが舛添知事も、この件では怒り心頭でございます。

知事が、私的な見解を著す現代ビジネス「舛添都知事日記」にて

「東京都は政府・文科省と同じ轍を踏まない! 「情報公開」こそが東京五輪成功のカギだ」

「情報公開、情報共有については、報道もまた大きな責任を負っていることを忘れてはならない。」とし

あら、まぁ奇遇ですね。不肖お姐もまったくもって同じでございまして上田令子政策にも掲げておるところです。当選以来これまでした情報公開件数も27件を数えほぼ毎月ベースで敢行させて頂いております。

で、知事より先んじて大変恐縮ではありますが、まさに2020年大会成功に向けて情報公開請求をしておりましたのでね、ハイご報告させて頂きますね!

さて、去る7月17日、新国立競技場の建設計画について「白紙に戻し、ゼロベースで計画を見直す」と安倍首相が発表したのはご承知のとおり。これを受け舛添要一知事も負けじと「計画白紙ならわれわれもゼロから」と表明。これにて、工事費増大を続け国民大顰蹙の問題に終止符を打てそうに見えなくもありませんが、念には念をいれないと、二度あることは三度あることになりかねません。そこで、上田は再発防止のための検証と新事実調査のため6月(経緯はこちら「屋根がないなら壊さなきゃ良かったのに…新国立競技場。」)に都知事、都教育委員会、文科省宛開示請求提出しておりました。

1.国立競技場の改築費用の東京都の負担分について、平成25年12月24日に下村博文文部科学大臣が発言した内容とその根拠をしめす情報すべて

2.国立競技場の改築費用の東京都の負担分について文部科学省と東京都が交渉・接触した記録に関する情報すべて

3.国立競技場の改築費用の東京都の負担分について舛添要一東京都知事に説明した際の記録に関する情報すべて

4.国立競技場の改築費用の東京都の負担分について猪瀬直樹前知事および職務代理者等から舛添要一東京都知事に引き継がれた情報すべて

大変奇遇なことに、安倍首相会見の前々日に文科省から7月15日に回答を得たのであります。東京都からは7月末に回答が到着。

【文部科学省】

開示できたもの→1.すべて。2.の一部、3.すべて

開示できないもの→2.の内、工事個所や図案、内訳の詳細などの金額精査など。理由は、率直な意見交換や意思決定の中立性を不当に損なうため。4.は不存在のため

【東京都】

開示できたもの→2.の一部

開示できないもの→1.4.理由は、実施機関では、請求に係る公文書を作成取得していないため不存在。2.の一部は事業・事務の適正な遂行に支障を及ぼすため不開示。3.は、都が作るものではないため不存在。

文科省から出てきた1.は、平成25年12月24日猪瀬前都知事辞職同日、下村文科相による「屋根をつける方向で検討し1,700億に縮減の見通し。500億円は東京都で出すと内々に了解もらって準備」記者会見録。

ふむ、新聞報道もされ、目新しくもなし。注目したのは2.の国と都の交渉記録。競技場の改築費用政府方針案で、確かに工事費が1,699億円となっていましたが…ふっと日付に注目!!「H25.12.27」。東京都は知事不在であったのであります。4.により、前知事から現知事への引き継がれた事実資料がないわけですから、現知事が東京都負担分については預かり知らない、こちらも白紙に戻すというのもこれらの実態を踏まえると理解できないわけではありませんが、世界が注目する東京五輪巨額事業なのに、引き継ぎもないとは驚きです。

2020年大会成功の鍵は情報公開にある!!と力説する舛添知事に情報公開請求してみたらば、な~んもオリパラ事業について引継ぎをしていないなんて…通常民間企業ではトップが交代する場合はその会社の理念、各事業についての方針・戦略を継承するのは当然のことであります。都庁職員おいては人事異動のさいなど「引継書」なるものは存在してるのは、委員会質疑や文書質問調査で確認しておるところですが「都の職員は都民の方を向いて仕事をすべき」とおっしゃっている知事が引き継ぎされてなかっとはなんとも情けない限り。選挙は水物ですので舛添知事は来期のために今から次の知事への引継ぎを念頭にいれ「都民の方を向いて仕事」をしていただきたいものでございます。

また、入手した資料で他にも興味を抱いたのは明治公園、人工地盤、大江戸線通路、電気・ガス等の周辺整備につき371.8億円を想定している資料。費用分担について明記されていないことから、これからまた、国と都の線引き、さらには東京都マターとなったあかつきには、庁内部局であるオリパラ準備局、交通局、建設局、都市整備局等の一体どこが担当するのか、今後の争点となることは間違いありません。

文科省は7月28日、スポーツ・青少年局局長を事実上更迭しトカゲの尻尾を切って、今回五輪相により大幅予算縮減をしてお茶を濁すことは許されませぬ。対する舛添知事・東京都においても、今後は責任の所在が曖昧となり、周辺設備の予算がまたもドンドン膨らむということのないよう、都と国への今後の定点観測継続と東京都議会での活動にて、皆様へ「情報公開」いたします。

【お姐総括】

去る8月26日に建築士業界団体によりまして新国立競技場の見直し問題で「屋根を木造に」と新提言がなされました。これはワクワクする発想ですね。おりしも愛媛の県議、市議に8月23日主催しました地域政党サミットでおめもじして、愛媛のヒノキを使って!と言われたばかり。冷暖房の見直しがされる新国立競技場にて、いかにも涼やかなヒノキの香る競技場…なんてステキなレガシィになることかしらん。コスト・実現性を知りたく業界団体に調査ヒアリングをしようと思います!

☆お姐、情報公開請求は職員に大変お手間をおかけする、ちゃんと議会活動に活かせ!知事も国への開示請求がんばれ、でも自分も請求される立場になることを忘るな!☆

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(2015年8月28日「上田令子のお姐が行く!」より転載)

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