第1回東京都総合教育会議「公教育の復活」知事発言に脱力...

足立区選管による点検作業の結果、松丸まこと区議の当選に相違なしと判定。我が友が無事議席を守れました*\(^o^)/*

昨年6月20日に公布され、本年4月1日より文部科学省により施行された「地方地教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正」により、全国の地方自治体で「総合教育会議」が新設されております。

この法律改正の目途は以下の通り。

教育の政治的中立性、継続性・安定性を確保しつつ、地方教育行政における責任体制の明確化、迅速な危機管理体制の構築、地方公共団体の長と教育委員会との連携の強化、地方に対する国の関与の見直し等制度の抜本的な改革を行う」

改正の目玉が太字部分。先の戦時下教育の反省から政治と教育を切り分けつため教育委員会の独立性を担保していたものの、教育委員会の機能不全がもはや看過できぬところまで行き、知事や区長や市長といった政治畑におる首長が関わることで、子どもの生命を真っ先に救う組織運営にしようということですね。

教育委員会によるいじめ・体罰による子どもたちの自殺につき、後手後手の対応、見誤った初動は、「大津いじめ自殺事件」「大阪市立高校体罰「自殺」事件」…枚挙に暇がありません。数限りない教育委員会の失態は、その報道を見ている公教育を受けている小中学生こそが「いじめがなかった?!そんなわけないじゃん!!」と校長や教育長が自殺報道において弁明するたびに、TVの前でつぶやきながら静かに見守っておるのです。

といいうことで本日、東京都でも記念すべき第1回東京都総合教育会議が開催され、鼻息も荒く傍聴にかけつけましたところ…

配布資料が↑ご覧のとおりのペラ一枚(・_・;

しかも、重点事項でこれまで確か掲げていたはずの「人権教育」が抜け落ちており、イキナリ脱力しました。

知事直々に説明のありました重点事項を転記し、お姐見解を追記してみました。

・個々の子どもに応じたきめ細かい教育の充実

→これは、当然のことです。指導力と愛情のある教師にしかできない難度の高い教育なので個々の教員のサポート体制が望まれます!

・世界で活躍できる人材の育成

→世界で活躍できる人材も大事なのですが、今の日本で食うや食わずの子どもの貧困を先にお願いします!

・オリンピック・パラリンピック教育の推進

→??!どんな教育なのかにわかに想像できず。オリンピックの顔と顔~♪三波春夫で盆踊り?!

…通常体育や部活で、威圧的な指導のない、スポーツを心から楽しむ教育からまず始めてください。

・不登校・中途退学者対策(自立的社会人への巣立ち支援)

→なんだか上から目線。いじめや暴力で学校に行けなくなった子どもをムリに戻さずNPOや民間機関の活用をしてもらいたい!

・いじめ対策

→「いじめ防止対策推進法」制定に伴い東京都より先んじて外部組織を立ち上げた足立区と既存組織現状維持の江戸川区では我彼の差が…。区市町村格差の是正は喫緊の課題!

・特別支援教育の推進

→地域包括ケアも始まったことから、まず当事者の子どもたち、そして家族と地域の声を聞いてください!

・その他重点事項(例:防災教育、放課後子ども教室の拡充)

→おやつなし学童の推進にちょっとまったぁ!!

国政政治学者の舛添陽一知事は都市外交に力を注ぎ、国際バカロレア導入などグローバル人材の育成にご執心なのは理解できますが、世界に目を向ける前に日本の街の片隅で一食に事欠く子どもたち、貧困にあえぐ母親がいることに触れて欲しかったです。知事の口から一言も「子どもの貧困」が出なかったのは誠に残念でした。

一方ワクワクする発言もありました。乙武洋匡委員からは部活や事務作業を外部委託することで教員の負担を軽減化をめざす、不登校児をサポートするフリースクール等公教育を補完する教育機関の公的位置付けへ向けての促進への提案してくれて溜飲の下がる思いに。かねてよりお姐は部活の外部委託を政策とし区議会、都議会の場でも求めて来たからです。(こちらご参照)

ところがところが、午前中は委員会を欠席され、知事が出席する総合教育会議の頃に登場された 竹花豊委員(都の三セク株式会社東京ビッグサイト社長)が「外部委託の話が出たが…公教育でやれることはまだまだあります。」と学校現場にいたことも子どもたちに直接寄り添ってきた経験値もおありでもなさそうな経歴なのに、畳み掛けるではありませんか。さらに知事がそれを受けて「公教育の復活を!」と締めくくっちゃって…。これまでの公教育を見直すために、知事がコミットする法改正になったのに堂々後戻りする宣言…やめてくれーー!!と大声をあげたくなりました。

どーにもこーにも、公教育に外部人材や民間機関が入るのが当局は相当に嫌なようです。何を怖がっているのでしょうか?

外部人材と、比較されること?!

乙武委員は、竹花委員の発言後、もう一度挙手をして、特別支援教育を例に上げ地域や民間を巻き込んだ「インクルーシブ教育が必要」と、やんわり反論をしてくれました。ナイス!

乙武委員ご指摘のとおり、専門性を持つ外部民間力を活用した公教育でいいではありませんか?

公務員が抱えこむから教員の仕事量も増える。部活や吹きこぼれ、落ちこぼれと言われる子どもたちは民間力を活用し教員は、通常授業に専念していただければ残業も激減するはずです。(杉並区立和田中学校の前例もありますしね。)

部活や事務、不登校対策などドンドン外部へ、NPOへ!

【おまけ】

総合教育会議新設にあたり、橋下大阪市長は30分語られましたが舛添知事は僅か10分。ペーパーを見ながらのさながら、本会議場の答弁の模様でした。教育は百年の計であり、立候補されたときも政策に掲げていたし、貧しさの中から苦学して東京大学に進学されたご自身の経験に則して、お姐とは教育哲学は共有できなかったとしても、自分の言葉で熱く語って頂きたかったです。知事に、現場を知る公務員ではない在野の先生たちの教育ブレーンが出来ますように…。

柔道界では、セクハラ・パワハラ・暴力事件が頻発。おそらく長年苦労してきたであろう山口香委員の発言も納得するものばかりでした。「部活の体罰がやまないのは教員が昔の感覚を捨てられないからだ、まず教員への許育を」「基礎学力の底上げも大事だが、個性や能力が高い子どもが出る杭としてうたれない環境を」「キャリア教育は男女同じではなく、女性のキャリア教育に注力を。結婚妊娠出産などライフイベントを鑑みたものを」

「スポーツで競わせないという悪平等ではなく、勝負がつくから失敗から学ぶことがあるものだ」

あと、中井敬三教育長が「ICTの推進を!」とおっしゃってたので是非先進&先駆的な多摩市立愛和小学校の取組の全面バックアップとオール東京への普及をお願いしたいものです。(ご参考「1人1台iPadへ 松田孝校長の決意と挑戦/多摩市愛和小学校」

お姐も昨年視察に行ってきましたが、タブレット授業はもちろんレゴブロックを教材に取り入れたり取組も目を見張るものがあるのですが、松田校長先生の、ともかく企業と地域と子どもたちを結びつけ、貧富の差によるITリテラシーをなくそうとする情熱こそが何よりの「生きる教育政策」なのでありました。愛和小学校では、今週27日の土曜日に公開プレゼンが実施されます。

↓ご興味有る方は是非!

(2015年6月26日「上田令子のお姐が行く!」より転載)

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