大手IT企業勤務からママブロガーに。 子育て情報を発信して、全国のママをエンパワメント!

会社に勤務していた頃に比べ、仕事とプライベート、育児の境目が薄くなりました。

ハツラツとした雰囲気の渡邊麻奈美さんは、プロのママブロガー。自身の出産・育児経験に基づいてママ向けの情報発信をしているブログ『ままはっく』が多くの人から注目を集め、現在は月間60万PVを獲得しています。

待ち合わせ場所に到着すると、先に来ていた渡邊さんがノートパソコンを開いてお仕事中。「どこでも仕事してます」と笑いながら、挨拶を交わしてくれました。

子育てをしながらリモートワーカーとして働く渡邊さんは、日頃どのように仕事をしているのでしょうか。お話を伺ってきました。

渡邊 麻奈美(Manami Watanabe)

1988年生まれ。大阪府出身。同志社大学で社会学について学ぶ。

2011年、東京都内の大手IT企業に入社、マーケターとして勤務。会社の同期である夫と出会い、結婚。その後、産休中に立ち上げたブログ『ままはっく』が人気となり、月間60万PVを達成。

2015年に会社を退職し、フリーのブロガーとして独立する。現在は東京都内で2歳の娘と夫と3人で暮らしている。

ままはっく:http://mama-hack.com

大手企業勤務からフリーのブロガーへの方向転換

‐産休中にブログを立ち上げたとは、すごくエネルギッシュですね。

渡邊さん(以下敬称略):産休に入った時、自分の体のこととか、子育てのことをたくさん調べていたんです。自分がインプットしたことを、ほかのお母さんたちに役立ててもらえるかも?と思ったのがブログを立ち上げたきっかけです。

夫がエンジニアなので、最初にドメインとサーバーを借りてブログの形を作ってくれて。そこに私が記事を書くというスタイルで始まりました。今では私も自分で新たにブログを立ち上げられるようになりました。

‐大手企業を退職して、フリーになろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

渡邊:世界中どこにいても、会社がなくなっても自分で仕事をしていきたいという思いを以前から持っていました。きっかけとしてはやはり出産でしたね。妊娠中に満員電車に乗って通勤している時は、本当に辛かったです......!

育休が終わってから、子どもを保育園にあずけて職場復帰をしたのですが、とにかく忙しかった。ブログの更新も手に負えない状態でした。世の中の働くお母さんはこんなに大変なんだ、と衝撃を受けました。今は時間や場所に縛られずに仕事ができるし、ブログで生計が立てられるようになったので、良かったなと思います。

‐企業に勤めていた時にリモートワークの勤務形態は浸透していましたか?

渡邊:在宅で仕事ができる制度はありましたが、誰でも使えるものではなく、階級が上の社員や、育児と介護が重なった時など特殊な事情がある社員だけに認められていました。私の部署では誰もリモートワークはしていなかったですね。

今後、すぐに浸透するのは難しいかもしれませんが、月に1回、週に1回在宅で仕事をする、といった形で少しずつリモートワークが会社の中で認められていけば、育児中の社員も助かるかもしれませんね。

自分にしかできないことを、自分がする

‐育児と仕事の両立で大変なことはありますか?

渡邊:今は娘を保育園にあずけて、日中に家やカフェで仕事をしています。娘が2歳でイヤイヤが激しいので大変なこともありますが、お喋りができるようになってきたので、成長を見守ることは楽しいです。会社に勤務していた頃に比べ、仕事とプライベート、育児の境目が薄くなりました。

家族でたまに遊園地に行くんですけど、娘がお昼寝をしている間に夫婦でパソコンを開いてブログの更新をしていたり。この話をすると友達に笑われます。

‐遊園地で!それは驚きました。旦那さんとは育児も仕事も一緒にするんですね。

渡邊:夫の協力はとても大きいです。家事ができる人なので、例えば週末に大量にカレーを作ってくれたりして、そうすると月曜日と火曜日もストックしておけるので助かります。私がなるべく仕事に集中できるように協力してくれているんです。

娘が生まれた後は夫も半年間育休を取得してくれたので助かりました。その後、夫も転職したのですが、現在勤めている会社は裁量労働制が認められているので定時で帰ってきてくれます。19時半には家にいてくれるのでありがたいですね。

‐とても協力的ですね。家族の協力があることで、育児や家事、仕事のバランスが取りやすくなるんですね。

渡邊:色々な働き方、考え方のパパがいますから、私の場合は恵まれているんだと思います。夫は私のワークスタイルも理解して協力してくれますし、育児も家事も夫婦で半分ずつやろうと二人の間では決めています。私は家事があまり好きではないので、苦手なところは家電や夫に頼っています。

仕事でも家事でも「自分ができることをする」ということを大切に考えて動いています。育児は私にしかできないから、私がやらないと。食洗機が人間の代わりに食器を洗ってくれている間に、子どもとたくさん遊ぶ時間が作れますよね。ブログではこういった子育てのヒントも発信しています。

働くママの味方でありたい

‐リモートで情報発信するだけでなく、外部の人と連携することもあるのですか? ほかのママさんたちと一緒に議員の方に会いに行った様子がブログに掲載されていましたが......。

渡邊:Facebook上で、東京都大田区のママコミュニティを立ち上げて管理しています。メンバーのママと、保活(保育園探し)のための情報共有をするために作ったんです。実際、自分が保育園探しをする時に情報がなくて大変な思いをしたし、妊娠中のママが何ヵ所も保育園を見て回るのは大変だと感じたんです。

それから、保育園不足の問題について当事者のママたちから意見を集め、厚労省の担当の方や区議会議員さんに生の声を届けに行くという活動もしています。平日の昼間に会社に勤めているママたちは、なかなか自分で行くことができません。だから、自由に動ける私がやらなければ! と思いまして。そのこともブログで発信しています。

‐当事者だからこそ伝えられる意見ですね。今後の展望などあれば教えてください。

渡邊:今後は法人化して、人と一緒に仕事をしていきたいですね。現在、大学時代の友人たちと一緒に、転職者向けの新たなメディアを立ち上げるための準備中です。友人たちも転職経験があるので、自分たちの知っていることを発信しければと思っています。みんな都内ではなく離れたところで生活しているので、スカイプなどを利用して遠隔で打ち合わせをしています。

また、保活に携わる中で、子育てをしながら働きたくても働けないお母さんたちの「悔しい」という声を聞いてきました。そういった方たちへの就労支援ができないかと考えています。

例えば、ブログの立ち上げや運営のノウハウを伝えて、子育てをしながらでも時間に縛られず仕事ができるようになったらいいなと思います。

‐貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。働くお母さんたちの実情を知っている渡邊さんだからこそ、ニーズに合わせた情報発信ができるのですね。今後のブログの更新も楽しみにしています!

この記事の著者:佐藤愛美(Megumi Satou)

保育士とライターのダブルワークを5年間続けた後、フリーライターとしてワークスタイルを確立。女性の生き方、子育て、社会問題等のテーマを中心に執筆している。保育園で連絡帳を書くことも、ライターとして記事を書くことも根本は同じ。「人と向き合い、心に触れる文章」をモットーに事業を展開中。


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