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2017年12月19日 11時38分 JST | 更新 2017年12月19日 11時38分 JST

道幸せんせいとワークルールを学ぼう!テーマ:36(サブロク)協定

36協定だけでは残業を命じることはできない

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ワークルールを知っていれば、職場のトラブルを未然に防止できたり、自分や仲間そして部下を守ることができます。ワークルール検定は、クイズ形式で楽しみながら、必要な知識を身に付けることができます。日本ワークルール検定協会の道幸哲也代表理事の解説で、深く学びましょう!

会社が残業させるには36(サブロク)協定が必要です。でも、連合の調査では、そのこと自体「知らない」という回答が6割も・・・。また「36協定さえ結べば何時間でも残業させられる」という誤解も少なくありません。知っておきたい36協定のルールをおさらいしましょう。

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36協定だけでは残業を命じることはできない

「1日8時間、週40時間」の法定労働時間を超える労働(時間外労働)を命じるためには、原則として職場の過半数代表(組合)と使用者が労基法36条に基づく36協定を締結しなければなりません。この過半数代表は適正に選ばれなければならず、「法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であること」(労基法施行規則6条の2)が必要です。したがって、会社の共済会の代表であるからといって適正な代表者とは限らず、36協定は無効となり残業を命じることはできなくなります。トーコロ事件(最二小判平成13.6.22労働判例808号11頁)はそのような判断を示しており、②は間違いです。このトーコロ事件判決は有名ではありませんが、必ず覚えておきたい判決です。

36協定を締結するか否かは、労働者サイドの意向によるものであり、たとえ経営上残業の必要があったとしても、36協定を締結せず、残業をしないことはできます。だから、③は正しい説明です。

また、36協定では、「時間外又は休日の労働をさせる必要のある具体的事由、業務の種類、労働者の数並びに1日及び1日を超える一定の期間についての延長することができる時間又は労働させることができる休日」について定め(労基法施行規則16条)、その範囲でしか残業を命じることができませんので、④は間違いということになります。

注意すべきは、36協定だけでは残業を命じることができないことです。そのような命令を基礎づける就業規則等の規定(例えば「業務上必要な場合に残業を命じることがある」など)が必要(日立製作所武蔵工場事件・最一小判平成3.11.28労働判例594号7頁)なので、①は間違っています。

ちなみに「36(サブロク)協定」という通称は、労基法36条に規定されていることから、使われるようになったもの。

[正解] ③

道幸哲也 どうこう・てつなり

(一社)日本ワークルール検定協会 代表理事

北海道大学大学院法学研究科修士課程修了。小樽商科大学商学部助教授、北海道大学法学部教授、放送大学教授などを歴任。2007年、NPO法人職場の権利教育ネットワークを設立。「ワークルール検定」の立ち上げに尽力し、2013年に設立された検定協会の代表理事に就任。著書に『不当労働行為救済の法理論』(有斐閣)、『15歳のワークルール』(旬報社)など。

ワークルール検定とは

ワークルールに関する一般的な知識を問う検定試験。厚労省も後援。

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