伝統産業を支える“技術”の継承を~情報労連 高清水酒造労働組合~

「最初は研究開発にいたんですけど、現場の方と接して、酒造りがしたい!と思って」
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オトナの社会科見学~情報労連 高清水酒造労働組合~

秋田酒類製造株式会社

清酒やリキュール等を製造・販売する酒造メーカーで、戦時中の1944年に12の酒蔵が合同で設立。

主な商品は清酒『高清水』等の純米大吟醸など。自然豊かな地元秋田の良質米と名水、高度な酒造技術によって高品質なお酒を提供する。伝統を守りながら次世代への酒造りを進めている。

地元の伝統をつなぎ、広めたい

「最初は研究開発にいたんですけど、現場の方と接して、酒造りがしたい!と思って」という冨岡さん。8年の研修を経て副杜氏となったばかりの、秋田でも珍しい女性杜氏です。

秋田酒類製造の酒を主に仕込んでいるのは、横手市山内の蔵人たち。農業や大工などの本職を持ち、稲刈りのあと蔵へやってくる技能集団です。秋田酒類製造の社員からなる社内蔵人は山内蔵人に学びながらともに酒造りに携わってきましたが、近年、山内蔵人が高齢化。「今のうちに山内蔵人の経験や技術を継承しておくことが、重要な課題なんです」と冨岡さん。この冬にはいよいよ大吟醸の酒造りが社内蔵人中心で行われることになり、冨岡さんも副杜氏として初めて仕込みを手がけました。天候、湿度などさまざまな条件下で気の抜けない日が続くなか、「千秋蔵で仕込みをされている山内蔵人さんたちも、気にかけてくれている」と感じているそう。

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秋田酒類製造で働く蔵人では、女性は冨岡さん1人。蔵人は酒米や麹の運搬など重労働も多く、「男性が一度に運ぶものを私は2往復。迷惑かけてるなって思うこともあります」。同時に「重労働に体を痛める蔵人さんもいる。女性でもこなせる環境になれば、男性の蔵人にも良いんじゃないか」とも考えています。

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「『副杜氏になった』と言っても、家族や友人は、そもそも杜氏が何なのかピンときていないみたい」と笑う冨岡さん。高校や大学を卒業後、就職で秋田を離れる若者が多いことにも思いを寄せ、「こんな伝統産業があることを知ってもらい、地元で働くことが選択肢のひとつになったら嬉しいなと思っています」。

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