地方で考える『自分らしく働く』ということ

就活シーズンが始まりました。
AOL

今年も、3月1日の経団連加盟企業へのプレエントリー開始と共に、就活シーズンが始まりました。

街中には、リクルートスーツに身を包んだ学生たちが数多くいます。

合同企業説明会、個別説明会、OB・OG訪問、エントリシートの添削指導、社会人になるためのマナー講座。

様々な説明会や講習会が行なわれていますが、どの講座も知らず知らずのうちに、婚姻済カップルに対する育児休暇や産休明けの女性向けの制度など、就活生全員が"LGBT非当事者"であることを前提として話が進んでいきます。

私自身もこの春で大学3年生になり、就活に向けたインターンシップや業界説明会などに行く時期になってきました。

そしてそれと同時に、"LGBT当事者である"という自分の側面とどう向き合って就活に取り組んでいけば良いのか悩むようになりました。

例えば、

「LGBT当事者であることを職場で明かすのか、それとも徹底的に隠すのか」

「LGBT当事者であることを明かすとしたらどのタイミングが適切なのか」

「就活の中で何気なく恋人の有無など聞かれた時にどう対応したら良いのか」

といったことです。

どんな職種・業界を目指すのか、といったことはもちろんだし、地元に残るのかどうかも悩む点ではあります。

しかし、やはり一番大きな悩みは"LGBT当事者である"という自分の側面とどう向き合うか、です。

"LGBT当事者である"ことを必死に隠しながら働くのは辛いことだろうし、だからといってどの企業が隠さなくても大丈夫なのか、なかなか分かりません。

"LGBT当事者"かどうかに関係なく、「自分らしく働く」、そんな会社を見つけることが出来れば、と思っています。

AOL

来月6月に名古屋で、様々な企業・社会人・学生が年齢や業種を超えて「自分らしく働く」ことについて考えるイベントが開催されます。

その名も、WORKING RAINBOW EXPO 2018です。

AOL

■イベント開催概要

LGBT/ダイバーシティの取り組みをしている企業、推進したいと思っている企業と、LGBT・アライ学生、LGBT・アライ社会人が年齢・業種も超えて様々な社会人が、「自分らしく働く」ことについて考えるイベントです。

セクシュアリティに関わらず参加することができます。

今回はこのイベントの主催であるOn the Ground Progectの市川さんと、共催である株式会社G-pit net worksの太田さんにお話をお聞きしました。

――このイベントは昨年に引き続き2度目の開催とのことですが、昨年のイベント時にはどのような感想がありましたか?

市川「昨年はイベントに参加された方から、

「東京や関西ではLGBTの取り組みをしている企業の情報にアクセスしやすいですが、中部ではそのような企業の情報を知ることは出来ないのでとても新鮮だった

「東海地方にもこんなにLGBTフレンドリー企業があったことに驚いたし、感動しました

という声を多く頂きました。

また、イベントのことを取り上げたニュース番組を見た方から、イベントに参加された企業の方に採用の問い合わせがあり、企業と学生・社会人をつなぐきっかけになったかなと感じています。」

――昨年とのイベント参加企業の変化はありますか?

市川「昨年は中部地区の中小企業が中心でブース出展頂いておりましたが、今年はNTT西日本、チェリオグループ、ゲオホールディングス、住友電装などの大手企業も参加する予定です。

大手企業のLGBTの取り組みはインターネットニュースなどで目にすることはありますが、実際にダイバーシティや人事の担当者の方の生の声を聞くことはなかなか出来ません。

特にNTTグループは今年、「配偶者及びその家族に関わる制度全般を同性パートナーにも適用する」ということでニュースになっていました。

このような大手企業の生の声を聞くことはなかなかないのでぜひ直接お話をしていただきたいと思っています。」

AOL

昨年の様子

――地元の中小企業だけでなく、大手企業も参加することになった経緯などはありますか?

市川「昨年は丸井グループさんに特別講演で話をしてくださったのですが、このことが大きいです。その注目度が高く、昨年はイベント事前告知・当日の様子を紹介するラジオ、新聞、テレビでの紹介が10回ほどありました。

また、こういった問題や取り組みに対する社会全体的な注目が高まってきたとも感じています。結果として、この地元・中部地区でも取り組む企業が出てきたので今回イベントに参加していただきました。」

――参加する企業からはどのような声が上がっていますか?

市川「企業によって参加する理由は異なりますが、今年初参加する企業側からは、

「東京などの首都圏ではLGBT、SOGIに関連したイベントが多く行われているが中部圏ではあまり行われていないため、ぜひ中部の方にも知っていただきたい」、

「LGBT/ダイバーシティの取り組みに関して、当社の取り組みを学生の方に知っていただくだけではなく、今後、『すべての人が働きやすい職場づくり』は必要になってくるため、これから取り組みを検討している企業の参考にしていただきたいと思っています」

といった声をいただいています。

また、昨年参加した企業からは、「昨年よりも取り組みの状況が進んでおりうちの会社の取り組みを知ってもらいたい」といった声をいただいています。」

――昨年のイベントとの違いは何かありますか?

太田「今年は新たに先輩社員と話をすることが出来るブースを設ける予定です。

学校で教員として働いている方、地元のケーブルテレビで働いている方、IT企業に勤務している方など、様々なセクシュアリティの先輩社員と話をすることが出来るので、

「職場ではカミングアウトしているの?」

「(カミングアウトしている場合)どのタイミングでカミングアウトしたの?」

などを直接聞くことが出来ます。」

AOL

――このイベントには、どんな方に来場して欲しいと考えていますか?

太田「就職活動の際に「履歴書の男女欄どちらに丸を付けるべきか」「就職後に性別適合手術・ホルモン治療をしたいんだけど、そもそも職場に理解があるのだろうか」など、セクシュアリティに関することで不安を感じている方、また企業の考えを知りたいと思っている方にぜひお越し頂きたいと思っています。

ただ、このイベントはセクシュアリティに関わらず参加出来るイベントです。

LGBTの取り組みをしている企業は国籍、年代、身体的特徴をこえてすべての人にとって働きやすい職場づくりに意識が高い会社のため、ぜひ当事者に限らず「自分らしく働く職場」について考えたい方に参加頂きたいです。」

市川「また、学生の中にも「こういった企業で働きたい」という気持ちや「自分らしく働く」という意見を持っている人もいると思います。是非、その声を企業へ届けて欲しいと思います。これから社会に出る人たちが どのように考えているのかも、企業として関心が高いと思います。」

太田「一般参加の学生は、基本的には大学3・4年生を想定しています。

ただ、LGBT/ダイバーシティの取り組みにフォーカスした話は就活イベント、会社説明会などではなかなか聞けないと思います。また、今回参加する企業の話を来年以降聞けるかどうかもわからないため、ぜひ大学1・2年生、高校生の方も参加いただきたいです!昨年は高校生の参加者もいらっしゃいました。」

――最後にイベントへの意気込みをお願いいたします。

市川「LGBTの取り組みはまだ模索中の企業が多いため、ぜひ担当者の方と意見を交換して自分らしく働ける会社をつくっていって頂きたいです。

また企業関係者も参加出来るので「これから検討をしていきたい」と考えている企業関係者の方もぜひ取り組んでいる企業と情報交換をしていただき取り組むきっかけにしていただきたいと思っています。」

AOL

日時:2018年6月9日(土)13時〜18時、12時45分開場

(個別面談を申し込みの方は閉会後の18時~19時30分に行います。)

参加対象者:

【一般参加者】LGBT/ダイバーシティの取り組みをしている企業に関心を持っている学生

【オブザーバー参加者】企業関係者、士業の方、組合などの団体、行政関係者、教育関係者、転職希望者

参加費:

【一般参加者】無料

【オブザーバー参加者】5,400円(税込み/1名)

※ 5月末日までにお申し込み頂いた方は早割特典として3,240円となります。

参加申し込み:

事前申し込み制のため下記メールフォームよりお申し込みください。

【学生(一般参加者)】http://divercity-expo.com/apply

【企業・社会人の皆様(学生以外の方)】http://divercity-expo.com/apply_company