7月10日は「納豆の日」でした。
今や納豆はその効能が広く知られた人気の食べ物ですが、これを最初に食した私たちの祖先には本当に感謝をしなければならないと思います。
恐らくは忘れられていた煮豆がたまたま乗っかっていたわらの菌の作用により偶然発酵したのでしょう。
発酵といえば聞こえは良いですが、早い話が腐ってしまっていたわけで、糸を引いて独特なにおいの漂う豆を食したご先祖様はそれ相当のやむをえぬ事情におかれていたものと推察します。
庶民の味方のこの素晴らしい食品は、辛い状況のなかでの勇気から生まれたものに違いありません。
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ところで全く違う意味での庶民の味方ですが、実は今から56年前の今日、「最低賃金法」がスタートしました。
同法の第一条では最低賃金の目的を「労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与すること」とうたっています。
しかし今の最低賃金、これにふさわしいものとなっているでしょうか?
最高水準の東京の最賃888円でさえ2000時間フルに働いても年収177万円。
一方で最低レベルの県の最賃は677円と格差は広がるばかりです。
先人の勇気を見習って、粘り強く取り組まなければなりません。
【こちらの記事は7月10日に東京新聞・中日新聞にて掲載された神津事務局長のコラムをご紹介しております。】