『レコードチャイナ』が掲載していた「韓国人の差別意識が問題に、中国人観光客の4割が韓国で不愉快な経験―韓国メディア」という記事がいろいろ興味深かったので、これについて少し。
1 記事の紹介
「16日、中国人観光客を対象にした韓国旅行満足度調査で、『旅行中に韓国人から蔑視を感じた、もしくは実際に蔑視を受けた』と回答した中国人が37%に達したことがわかった」という記事です。
「一方、『韓国以外の国で蔑視を感じたことがある』と答えたのはわずか10%だった」ともしています。具体的には「地下鉄で友人と中国語を話していた際に、韓国人女性から足で『隣の車両へ行け』という仕草をされたこと」などが紹介されています。
「韓国を訪れる中国人観光客は急増している。韓国人のこうした差別意識は、両国の民間交流に悪影響を及ぼしかねない」という専門家の意見も紹介されています。
2 中国人観光客
円安や韓国政府の露骨な反日政策の影響もあり、韓国を訪れる日本人は明らかに減っており、それに代わって増加しているのが中国人観光客です。
そのため、韓国としては中国人観光客が減ることは観光業に大きなダメージとなるので、先に警鐘を鳴らす意味でこうした記事を掲載したというところかと思います。
正直、中国人観光客にも大きな問題があるのは間違いなく、世界各国でいろいろひんしゅくを買っているという面は否定できません(中国人海外旅行客の買い物の評判)。
ただ、その一方で団体旅行というのは多かれ少なかれ似たような側面をもって面があり、日本人の団体旅行も最近でこそ、変な話を聞くのは少なくなってきたものの、まだまだ多少変な人はいるという話です(帰国に当たっての雑感)。
3 感情
人は感情があり、時にはどうしようもないことがあります。フロイトが発見した無意識はその典型で、皆が皆自分で自分の感情をコントロールできるのであれば、精神病等この世に存在しなくなります。
したがって、問題はそれをどこまで表に出すかという話かと思っております(性的マイノリティへの偏見や差別をなくすにはどうしたらよいか)。私はそれこそが寛容というもので、相手を傷つけないようにするためにどうするか、相手を気遣うことの礼とは何かという話かと考えます。
そういう意味で、未だに忘れられないのが、私が中国に留学していたときに、ある韓国人留学生が「中国は歴史は悠久の歴史を持っているのに、発展途上国となってしまった」「韓国は先進国だ」という発言をしたことです。
こうした発言を聞いた中国人が何と思うかという話ですが、中国人教師は特段何の反応も示さず流しておりましたが内心どう思っていたかという話です。
当時は間違いなく中国は発展途上国で、韓国の方が先を行っていたのは間違いなかったわけですが、現在は既に逆転されているわけで、驕れるもの久しからずといったところでしょうか。
4 歴史認識
これはある意味韓国人の日本人に対する歴史問題についても言えることで、大学などでは日本人に対し韓国人が歴史問題(過去の清算)についていろいろ言ってくることがあります。
ある意味慣れっこになってしまっているので、どうとは思わないのかもしれませんが、これも相手を慮ればどこまでできる発言かという話です。
いきなり名前も知らない相手に、日本人というだけで、過去の問題をいきなりぶつけることがどれだけ失礼なことか少し考えればわかることかと思います。
これが日本政府や歴史認識について論じる場ならそういう議論をするのもわからないではないのですが、相手が日本人というだけで、いきなりこうした議論をふっかけることについて何とも思わないのでしょうか。
5 最後に
例えば、ベトナム戦争についてアメリカ人や韓国人について唐突に質問されたら彼らが何と思うかという話なわけですが、どうもそういうことに思いが至らないようです。
念のために補足しておきますが、私は日本が先の大戦について責任がないなどというつもりはありませんし、それを心に留めておくべきだとも考えています(韓国人の「反日」は中国人を陥れるため?)。
しかし、だからといって自分が行った行為でないことに対してまで見ず知らずの人間から謝罪を求められるのはおかしいと思っていますし、そうした行為を一般人に行うのもおかしいと考えているだけです。
(2014年1月18日「政治学に関係するものらしきもの」より転載)