韓国人の「反日」は中国人を陥れるため?

相変わらず時差ぼけひどい状態ではありますが、『新華経済』が掲載していた「韓国人の強烈な『反日』は中国人を陥れるため!?「6つの理由」をネットユーザーも支持―中国」という記事がいろいろ興味深かったので、これについて少し。

相変わらず時差ぼけひどい状態ではありますが、『新華経済』が掲載していた「韓国人の強烈な『反日』は中国人を陥れるため!?「6つの理由」をネットユーザーも支持―中国」という記事がいろいろ興味深かったので、これについて少し。

1 記事の紹介

 これは、中国国内の掲示板「凱迪社区」に「あるユーザーが「韓国人だけ反日に気合いが入っている6つの理由」として、中国人を騙すためとの考察を掲載した」ものです。

 「この大胆な分析」に対し「ネットユーザーの関心も高く、多くの賛同コメントが寄せられた」としています。なお、その方の提唱した6つの理由は以下の通りだそうです。

1.韓国人が故意に反日を演じる目的は中国人を刺激すること。日中問題を激化させれば、韓国は漁夫の利を得られるわけだ。車、携帯電話、ドラマ、レストランと中国の街には韓国のものだらけ。韓国人は中国人を騙しているのだ。


2.第2次大戦時に日本の軍服を着て中国人を殺した罪を隠すため。

3.韓国人が中国の蘇岩礁にある排他的経済水域を占有するため。

4.朝鮮人はこの200年、ロシア人と結託して東アジアで大量の暗殺、爆破事件を起こし、日中関係に混乱を起こした。この罪を隠し、中国人を騙すために、必死に反日を演じるのだ。

5.反日を演じれば韓国人は楽に中国の政府と結託することができ、中国の資源を略奪するとともに環境を汚染させることができるため。

6.韓国人が北朝鮮と結託して、中国人向けの核兵器を開発するため。かなり衝撃的な「理由」に対して、ほかのユーザーからは支持を示す意見が相次いだ。主なものは以下のとおりだ。

2 中国の嫌韓

 韓国の朴大統領などは、盛んに反日批判を行い、日本の責任を追及していることや(朴槿恵大統領の「告げ口外交」とその効果)、露骨な親中政策をとっていることを受け、中国人と韓国人の関係は仲が良いと思っている人がいるようです。

 しかし、以前から中国のネットでは「嫌韓」が一大ジャンルとして存在し、「棒子」などという韓国人に対する蔑称も存在し、かなり派手な悪口が書き込まれています(中国の嫌韓と韓国の嫌中)。

 ある意味、これもそうした流れの一つと見ることも可能で、「多くの賛同コメントが寄せられた」としておりますが、ネット上ではこういう一大層が形成されているので、こうしたコメントが書き込まれていても何の不思議もありません。

3 韓国の責任

 第二次世界大戦時に「韓国」という国は存在しなかったわけで、韓国は自分たちで独立を果たすこともできませんでした。結果的に日本の敗戦に伴い共同統治とされてしまったことが南北分断の最大の原因なわけですが、どうもそれも日本の責任と考えている韓国人もいるようです。

 戦争責任についてはいろいろな考え方がありますが(ドイツの戦後処理を賞賛する中国は妥当か?)、中国が日本と国交回復をする際に、戦争を起こしたのは一部の軍国主義者で日本人民もその被害者という理論構成を行いました。

 韓国も基本的に同じような発想で、自分たちは被害者で悪いのは全て日本の軍国主義だという発想ですが、果たしてそれで良いのかは疑問です。

 ちなみに「親日反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法」があり、「対日協力による不法利得」とみなされると没収されるわけですが、こうした「責任」の取り方は疑問ですし、子孫にまでその責任を負わせることについても、法律論的にもかなり疑問です。

4 最後に

 私は、斯様に韓国は純粋な被害者で、全く責任がないという発想はおかしいと考えますが、これは同様に日本の一般国民も無責任では済まされないだろうということになると考えます。

 そういう意味で、間違いなく日本に責任があるわけですが、そのために賠償などを行ってきたり、現地に残してきた財産に対して何も言わないわけで、個別の問題についてどうすべきか一つ一つ是々非々の態度をとるべきと考えます。

 ところが、今の韓国を見ていると「全て日本が悪い」的発想で、これで下手に日本が妥協策などをとろうものなら、更なる妥協を求められるだけで、日本にとって何の益もない話です。

 何度か述べている様に外交とは駆け引きなので(「韓流ブーム」に関する左右の意見と日韓外交等)、韓国政府にはもう少し冷静になって話し合いに応じてくれること、日本が妥協すれば同等の妥協をしてくれることを切に望みます。

(2014年1月15日「政治学に関係するものらしきもの」より転載)

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