「いじめ」と「地域活性」の問題の共通点

政権の重要課題として位置づける「地方創生」に向け、菅官房長官が関連法案を提出する方針を伝えたようです。
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政権の重要課題として位置づける「地方創生」に向け、菅官房長官が関連法案を提出する方針を伝えたようです。

日本創世会議が発表した消滅可能性都市推計リスト、通称「増田リスト」につづく、大きなニュースですね。

来春には統一地方選挙を控えていることもあり、地域活性に関して各所で議論が進んでおられることかと思いますが、ひとつ気になってることがあります。

それは、地域活性関連のワードです。

■「地域活性」「まちづくり」

以下、心の中のツッコミです。

(´-`).。oO(活性って何だよ。みんなでお酒飲んでどんちゃん騒ぎするのが活性じゃないんだよ)

(´-`).。oO(つくってばっかじゃないか。有効活用しないの?人口減少社会だけどどうなの)

などなど。(もちろん皆が皆そうではないのは重々承知しております。)

要は、思考停止ワードだと思っています。これでは「なぜ」が抜け落ちてしまう。分かっている人は分かっているかと思うのですが、具体なき抽象の理解・認識で留まっている人もおられるのではないでしょうか。

他のことばとしては「産学官連携」ありきだったり、「6次産業」ありきだったりもあるかもしれません。本質的なところが抜け落ちてしまう諸悪の根源だと思うこともしばしばあります。

定義戦争になりかねないですが、あくまでも「その地域に本当に必要な取り組みはできてるの?」という疑問からです。

これに近しい問題があります。

これらはどうでしょう。

「いじめ」「万引き」「カツアゲ」

いわば、暴力、窃盗、恐喝の犯罪行為ですよね。

ネガティブ要素を薄めて「いじめ」と認識するから、人間関係のデリケートな問題として扱われる。事件としての取り扱い方、問題解決する際の評価のものさしが変わってしまう。

では、ちょっと趣向を変えて、これらはどうでしょう。

「みつトマト」「トロなす」「ピーチかぶ」

有機野菜などの宅配サイトであるオイシックスさんのところの野菜の名前です。野菜は野菜でも、とても美味しそうに感じますよね。特徴を活かしたポジティブ要素を強めるネーミングです。

ことばというものは本当に強いもので、ことばの遣い方で組織の考え方だって分かったりします。

「派遣にやらせる」「下請けにやらせる」「業者にやらせる」なりの使役動詞なりパートナー意識が欠如したヒエラルキームンムン用語をつかってると、底流の考えが分かりますよね。カメラアプリのインスタグラムのフィルターをつかえば、どんな写真でもオシャレっぽく見えるように、言葉は認識のフィルターにもなりますから。

ほんと、「芸術家」と「自称芸術家」は大違いですからね。つかっていることばで、「ああ...、そう考えてるのね」と分かってしまうものです。

ですので、「地域活性」という言葉の認識ですと、解決すべき<問題>から目を背けていることが容易にできてしまうと思います。

マジックワードに犯されて思考停止にならぬよう、言葉を変えて、共通認識を変える。すると判断が変わり、行動が変わりますから。

ということで、

・地域活性→地域の問題解決

・まちづくり→まちの最適化

などに置き換えて取り組むのがよいのかなと。

他に適した言葉のチョイスがありましたら、ぜひ教えてください。

みなさんのアイデア・ご意見をお待ちしております。

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