韓国独立アニメーション協会(KIAFA)事務室訪問 (2015年第11回)

「独立アニメ」の権利を守るために設立されたのが「KIAFA」です。韓国の多くのアニメーション作家たちがこの協会に所属しており、アニメーションの上映・販売の権利などをKIAFAで一元管理しているのです。

こんにちは、鍵本です。

3月18日から3月23日まで韓国にいました。前半は韓国の南のほう、慶尚道のあたりを旅行して、後半はソウルでいろいろ用事を済ませてきました。

以前にも紹介したことがありますが、大学でアニメーションの授業を担当していることもあり、個人的に韓国のアニメーションを応援しています。その関係でよく訪問させていただいている「韓国独立アニメーション協会(KIAFA=Korea Independent Animation Filmmakers Association)」が、事務所を移転したとのことで、最終日の23日、飛行機に乗る直前に新しい事務所を訪問させていただきました。

アニメーションと聞くと、どうしてもテレビや映画館でやっている「商業アニメ」を思い出しがちですが、それとは別に「独立アニメ(インディーズアニメ)」というジャンルがあります。独立アニメの方がより芸術的とでも言いますか、乱暴に言うとマンガと絵画の違いだと言えばわかりやすいでしょうか(そんな簡単に区分けできるわけではないのですが)。所属作家もフリーランスの場合が多く、昼間は普通に会社やアルバイトなどで働きながら、アニメーションの製作をしている人も多いのです。

そんな「独立アニメ」の権利を守るために設立されたのが「KIAFA」です。韓国の多くのアニメーション作家たちがこの協会に所属しており、アニメーションの上映・販売の権利などをKIAFAで一元管理しているのです。

実は毎年春に、日本国内でも「花開くコリア・アニメーション」というタイトルで、韓国の独立アニメーションの巡回上映会が開かれていて、今回はその準備の中でみなさまとてもお忙しそうでした。そんな中ご案内していただいたのは、日本語が流暢なKIAFA事務局長の崔ユジンさんです。

今回はKIAFAの事務所を様子をみなさまにご紹介したいと思います。

KIAFAの新しい事務所があるのは、大学路(テハンノ)と呼ばれる地域の少し南西側、梨花洞(イファドン)と呼ばれる地域です。この写真の左側の白い建物がKIAFAの入っているビルです。小さな演劇の劇場や芸術系のアトリエ、おしゃれな雑貨屋さんなどが軒を連ねるエリアで、「独立アニメーション」が似合う街だと感じました。この写真の奥には有名な梨花洞(イファドン)壁画村(階段沿いにおしゃれな落書きがいっぱいある場所)があります。

KIAFA事務所が入っているビルディングの階段の壁には、過去の作品の写真が飾られています。階段をあがるだけでワクワクします。

踊り場にはつい最近まで映画館で公開されていたハンジウォン監督の「思ったより清らかな(英題"Clearer Than You Think")」というタイトルの短編アニメーション集のペナントも。左下にはご本人のサインが。

事務所入ったところ。無料のパンフレットやはがきなどのほかに、資料用と思われるマンガなども並べられています。

壁には毎年行われる独立アニメーション映画祭である、インディアニフェストの過去のポスターが貼られています。昨年9月のインディアニフェストに関して、以前少しだけ触れたことがありますので、よかったらこちらもご覧ください

さらにドアを開けて中に入ると、職員のみなさんが熱心にお仕事をしてらっしゃいました。周りの本棚にはDVDなどがびっしりと並べられています。なお、一部のアニメーションは花開くコリアアニメーションの際に販売されますので、日本のみなさまもよろしければ会場に行ってみて下さい。

ご本人は写っていませんが、こちらが事務局長の席。海外のアニメーション関連の書籍などが並べられています。作業用の道具とぬいぐるみが一緒に並べられているのがかわいいですね。

本文にも書きましたが、この4月~5月に大阪、東京、名古屋で、韓国の独立アニメーション上映会「花開くコリア・アニメーション」が順次開催されます。簡単に日程と主な上映場所を書いておくと(特別なプログラムは別会場になることがあります)、

大阪会場 4月3日(金)~10日(金) プラネット+1(中崎町)

東京会場 5月9日(土)~10日(日) アップリンク・ファクトリー(渋谷)

名古屋会場 6月以降開催予定

大阪会場には4月3日~5日に、時間が合えば私も顔を出す予定です。もし読者の皆様で私を見かけられましたら、ぜひお声掛けくださいませ。

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