しゃべれない、身振り手振りも出来ない、ALS患者の講演術

3月19日に、社長退任後初めて講演をさせていただきました。インターン経験を経て、4月から社会人になる方々を対象にお話しました。

3月19日に、社長退任後初めて講演をさせていただきました。FC岐阜もお世話になっている、NPO法人G-net(代表:秋元祥治さん)主催のイベントにおいて、インターン経験を経て、4月から社会人になる方々を対象にお話しました。

まず、私がブログを書く要領で原稿を準備します。次に、もはや私はほとんどしゃべれないので、原稿をあらかじめ合成音声に変換します。合成音声は、機械音ではなく、過去の自分の声を利用した私の声です。原稿の主要な部分はパワーポイントでも表示します。後は、現場の状況に応じて、原稿以外は秘書に代弁してもらいます。

以下、講演原稿から抜粋です。

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今日は皆さんに3つの事を話したいと思います。私自身が仕事する上で念頭に置いている考え方です。

①世の中は理不尽なものである

これから皆さんの身には理不尽な事がいっぱい起きます。私も突然原因不明のALSになってしまいました。でも、理不尽を嘆いても何も解決しません。理不尽と上手く付き合うことが、前向きに仕事する秘訣です。

②上手くいかない事を周りのせいにしない

自分は変われても、他人の心や環境は簡単には変えられません。つまり、周りのせいにした瞬間に解決不能な問題になってしまいます。視点を変えたり、自分に出来ることをやってみましょう。

③伝える方法にこだわろう

私の座右の銘は「伝わらないものは、存在しないのと同じ」です。いくら素晴らしいアイデアを持っていても、思っているだけでは、他人にとってそのアイデアは存在しないのと同じです。上司、同僚、友達、恋人、家族にどうしたら自分の思いが伝わるか考えてみましょう。伝え方次第で、人生が楽しくなります。

仕事は楽なものではないです。

楽じゃないことをするから、筋トレと同じで力がつきます。

若いうちにしか無理は効きません!どんどん苦労しましょう!

今日の私の話が、1つでも伝わっている事を願っています。

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目をギラギラさせる若者に刺激をもらいました。

自分の話が、少しでも役に立てば嬉しいです。

恩田聖敬

(2016年3月21日「ALSと共に生きる恩田聖敬のブログ」より転載)

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