九州電力は15日午前、川内原発2号機(鹿児島県薩摩川内市)の原子炉を起動し、再稼働させた。新規制基準に適合した原発の再稼働は8月11日の川内1号機に続いて2基目。
14日の検査で九州電力は、緊急時に原子炉を停止させるために重要な制御棒が正常に機能することを確認した。再稼働後約12時間後に核分裂の反応が安定的に続く「臨界」に達する見通しで、この間に問題がなければ21日に発電と送電を始める予定。営業運転への移行は11月中旬になる見通しだ。
原子力規制委員会には15原発25基について審査申請が出ている。再稼働の前提となる原子力規制委員会の審査には、川内原発のほか、関西電力高浜3、4号機(福井県高浜町)、四国電力伊方3号機(愛媛県伊方町)が合格している。この中でも愛媛県の県議会が伊方3号機の再稼働に同意。地元での手続きが進んでいる。
Advertisement
九州電力は、川内1号機の再稼働に加え原油安などで収益が改善している、という。川内2号機も再稼働することで、この冬が厳冬でも供給余力を示す予備率は高まる、と期待している。一方、地元住民らが求めている住民参加の大規模避難訓練はまだ実施されていない。
関連リンク
・九州電力プレスリリース「川内原子力発電所2号機の原子炉起動及び発電再開の予定について」
サイエンスポータルの過去の関連記事
・2015年8月11日11ニュース「川内原発再稼動 新規制基準で初めて」
・2015年7月17ニュース「2030年度原発20∼22% 長期エネルギー需給見通し決定」