サラブレッドの「扱いやすさ」決める遺伝子見つけた 京大チーム

競走馬のサラブレッドを育てる際の「扱いやすさ」を決める遺伝子を見つけた、と京都大学の野生動物研究センターと文学研究科の研究チームがこのほど発表した。

競走馬のサラブレッドを育てる際の「扱いやすさ」を決める遺伝子を見つけた、と京都大学の野生動物研究センターと文学研究科の研究チームがこのほど発表した。馬の性格、行動パターンと遺伝子型の違いとの関係を調べた研究は少ない。研究チームによると、飼育の仕方の決定や乗馬のほか人間を癒す「ホースセラピー」に向いた馬の識別に役立つかもしれない、という。研究成果は、英科学誌に掲載された。

研究チームは、サラブレッドを育てる際に人間や馬具などに慣らす難易度といえる「扱いやすさ」に着目。北海道のJRA日高育成牧場で飼育中の、本格的に調教する前の1歳サラブレッド167頭を調べた。

実験では、牧場の職員に馬を洗ったり馬具を付けるなど17の刺激を馬に与えてもらい、「新しい物や人間への不安」「身体接触への不安」「大きなものに対する恐怖」「新しい環境への慣れにくさ」「反抗的態度」の5項目で167頭を評点した。さらに、脳内の神経伝達に関連する遺伝子型の差が、馬の行動の個体差と関係があるのではないかと推定し、不安や恐怖の調節に関係する神経伝達物質の「セロトニン」に関連する遺伝子型と馬の評点結果との関係を分析した。

その結果、セロトニンを受け取る「セロトニン受容体」の遺伝子型の違いと、馬の「扱いやすさ」の指標とした5項目の評点との間に「統計的に有意な関連」があることが判明。セロトニン受容体遺伝子の型によって、「扱いやすさ」に違いが出ることが分かった、という。

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