予算成立など

沖縄の辺野古埋め立てを巡っては、議論が完全にすれ違っているようで今後の展望がよく見えません。
時事通信社

石破 茂 です。

二十七年度予算が昨日の参議院本会議で成立。自然成立前に成立したのですから、参議院の存在意義が示されたと言えるでしょう。

しかし議論はどちらかといえば焦点が絞られないままに拡散し、総花的になってしまったような気が致します。われわれ政府の側も、有意義な議論が展開されるように更なる工夫が必要です。

前にも書いたのですが、答弁資料というのは、正確性を期するあまり、そのまま朗読したのでは何を言っているのかまずわかりません。それを普通の方に聞いていただいてもわかるように「翻訳」する作業が結構大変です。あまりに「意訳」「超訳」してしまうと本来の趣旨を外れてしまうこともあり、注意しなくてはなりません。なんだか高校生時代の古文の現代語訳のようでもあり、それはそれで結構面白いのですが、「本来あるべき姿」からは乖離している、と言うべきものでしょう。

質問を決められた通りに二日前に通告して頂けるととても助かるのですが、そうして下さらない先生方も居られます。審議の充実のためにも是非二日前通告の励行をお願いしたいものです。

沖縄の辺野古埋め立てを巡っては、議論が完全にすれ違っているようで今後の展望がよく見えません。

「日本で出来ることは米軍任せにすることなく可能な限り自衛隊で行う」「沖縄でなくとも発揮出来る抑止力は本土においてこれを行う」ということが基本原則であり、今後とも政府として着実にこれを進めていかなくてはなりません。

しかし一方、能力的・地政学的に沖縄にご負担いただかざるを得ないものは必ずあるのであり、なお一層丁寧な説明が求められます。普天間基地移設問題のキーワードは「抑止力の維持と負担の軽減」であり、「抑止力の維持」についての認識の一致が更に求められるように思います。

「上から目線」とのご指摘を受け、今後「粛々と」という言葉は使わないとのこと。かつて「辺野古移設がベスト」との言葉を使って同じようなご指摘を受けたことがありました。普天間基地の現状が、負担という意味でワーストであり、辺野古は「ベスト」ではなく「ワース(worse)」なのだとその時思い、以後改めたことですが、言葉の使い方にも細心の注意が必要ですね。

天皇・皇后両陛下がパラオをご訪問なさったことに大きな意義を感じました。

陛下の大御心に思いを致し、我々も過ちの無いように常に心がけていかなくてはなりません。

なぜあのような戦争に至ったのか。異郷の地で病死し餓死していった多くの同胞の無念の思いを我々は決して忘れることなく、歴史に真摯に向き合わなくてはなりません。

水曜日に日本テレビの特別番組「みんなのベストアンサー」(4月26日放映予定)のインタビュー収録があったのですが、「なぜ人を殺してはいけないのか」「なぜ勉強しなくてはいけないのか」という問いにはかなり苦労しました。

哲学の古典的なテーマでもありますが、以前高名な作家がこれを問われて一瞬返答に窮したとも言われる難問で、久しぶりに哲学の基本書などを読んでみました。

私の回答への感想はいかがなものとなるのか、お時間のある方はどうぞご覧になって下さいませ。

週末は統一地方選前半戦の最終日、投票日となり、地元へ帰る予定に致しております。

11日土曜日には若桜鉄道の「SL C12が若桜駅・八東駅間を走行する」という社会実験の行事にも参加の予定です。

都心は花冷え模様です。皆様お元気でお過ごしくださいませ。

(2015年4月10日「石破茂ブログ」より転載)

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